香川県ヴォーカルアンサンブルコンテストとは
近年、全国の合唱連盟で行われているヴォーカルアンサンブルグループのための祭典。
香川県合唱連盟でも97年1月に初めて開催され、今回で6回目を迎える。
メンバーは12名まで。各団体、制限時間6分で課題曲等はなし。
中学、高校、大学、一般の各部門に分かれており(昨年から児童の部を新設)、各部門毎に金、銀、銅賞が送られる。
ピアノ使用も自由で、この辺りは合唱コンクールに準拠している。
近年、大学、一般の部の参加団体数の減少のため、それまでは全部門を通じての最優秀団体にグランプリ賞が送られていたのだが、
昨年から「10団体以上の参加があった部門の最優秀団体にグランプリ賞が送られる」事になる。
また、一昨年から全部門を通じて、無伴奏作品のみを演奏した団体のうち、
最も優れた演奏をした団体にアカペラ賞が送られる事になった。
我々Single Singersはこのコンテストに参加する事を主目的として結成。 グリークラブ香川内では同様の目的で他に2グループが結成されたが、現在まで参加し続けているのはSSのみとなった。
当日は以前のように坂出一高を借りる事が出来なかったので美代教会で発声練習を集中して行う。その発声練習の最後にこれまでSingleの練習では行って来なかったカデンツをやってみる。(曲練習の中でハーモニー練習をするので、Singleではカデンツはやった事がなかった)
散々ハーモニー練習を行ってきたSingleメンバーに今更説明するまでもないだろうが、まあ一応、「最初の和音ではTopとBassが長三度で・・・」と説明を始めると皆一様に「へえ〜」と納得顔(82へえ)。私が弾いているHD-81を覗き込みにくる者までいる。って、
今まで練習してきたのはなんだったんだ〜!!
「いや、グリーの練習等でよくやっているケド、そういう事は考えた事もなかった。こういう風に説明されて初めて解った。」
「・・・」
・・・全国の指導者の皆様、メンバーの理解は意外とこんなものです。キチンと説明する事を怠らないようにしましょう。
坂出高校に移動して本番。今回は一般の部8団体出場中、最後の出演。一般の部の出場団体が増えたのは良い事だ。
今年は流石に演奏前のトラブルもなく、演奏開始。「4 雪中の葬列」を先に演奏。Topが一人という事もあり、最大音量が限られた中で強弱の幅をつけたために全体にずっとピアノの演奏となったので、曲間ではあちこちから咳払いが聞こえた。
結果は金賞(金賞3、銀賞5)。まあ、演奏そのものに悔いはないが、選曲の影響もあり、弾けたインパクトのある演奏ができなかったのが残念。TBHのグループ(金賞受賞)がポピュラーソングで楽しい演奏を繰り広げて観客の評判が良かった事と好対照であった。結局、高校グランプリとアカペラ賞をダブルで坂出高校の(別々の)グループに持って行かれてしまった。
後に審査員評の一部を聞く機会があったが、どうやら一般では一番評価が高かったようだ。減点法で採点すればマイナスが一番少ない演奏なのだろう。確かに(私の意図とは違うが)そういった指導法になっている事は否定できない。
やや釈然としない感情が残ったコンテストであった。
ただ、今回のアンコンにご協力頂いたH氏がSingleのハーモニー練習を理解して、以後の練習に応用してくれたのが一番の収穫といえる。
その日、例によって2次会で「C」に集まった4人は、次第に好みの女性のタイプについて話題が流れていった。
A「俺は絶対年上の女性だな。」
この一声を皮切りにB、Cが同意して、一気に意気投合した3人は年上女性の良さについて熱く語り始めた。
ただ一人取り残された状態になったD(年下好み)は肩身が狭かったが、ふとある事に気づいて3人に質問を投げてみた。
D「ところで、みんな兄弟はいるの?」
B「一人です。」
A「うちも。」
C「うちは・・・、(中略)だから結局一人だな。」
その場になんとなく「納得」という空気が流れた。特にDは一人大きく頷く。
ようするに、3人とも兄弟がいないので、「お姉さん」への憧れ、 というか「お姉さんに甘えたい」という願望が強くなり、 それが高じて年上好みに繋がっているのだろう、とDは説明した。後に「自分は姉がいるから分かるが、現実は甘くないよ。 そのおかげで俺は余り年上に妄想を抱けなくなっているから。」と付け加えて。
ちなみにこの話には後日談がある。
その後、Cはその夜語ったように年上女性と結婚したが、Bは年下と、Dは年上の女性と交際しているという。
好みと現実は別という事。
苦節六年、ついに香川の頂点を極めました!という訳でその軌跡を記していきます。
今年は演奏会を行う関係もあり、曲目は昨年に続いて「木下杢太郎の詩から」2、こおろぎ 5、市場所見 の2曲を選択。
メンバーは基本的に昨年と同じだが、昨年の反省(縦が揃わない箇所が残った)から、
今回は私(井上)が指揮者として前に立って細かい所まで縦を揃わせたり、より強力な曲想表現を狙う事にしました。
また、そのためバリトンに新メンバー藤本英樹をスカウトする。
技術的には、昨年の多田武彦氏の講義による発音法に加えて、
直前に行われたグリークラブ香川定期演奏会で北村協一氏の指導を受けたため、そのテクニックを積極的に用いていった。
今回の特徴は、曲の解釈からみんなで活発に討論する事によってお互いの詩への理解を深め、
全員で曲想を工夫し、全員で考えて音楽を作り上げて行く事により、
一人では気づかない所まで指摘し合って完成度を高めた事。今回コンテストには参加できなかったものの、
11月の演奏会には参加して頂くY.K氏が自発的に木下杢太郎の詩集を調べて「こおろぎ」の解釈を披露してくれた。
このおかげで私自身、迷っていた同曲の曲想表現に光明が見えてきたので大変助かりました。
実は今回の演奏、曲想こそかなり練りこんだものの、逆に直前になってハーモニーの方が怪しくなり、 特に「市場所見」は単独で歌う場合はともかく、2曲続けて歌うとスタミナ切れかテンションが高まり過ぎて余裕がなくなるのか、 かなり音程が外れてくるのであった。正直かなり不安を感じながら本番を迎える。 その事がメンバーにも伝わったのか、どうもみんな緊張気味で動きが硬くなっていた。
いよいよ自分達の番となり(今回は一般の部6団体出場中、5番目)ステージに上がる。私もメンバーの後に続いて入る。
今回はSecが1人しかいない事や短調の和音が多い事もあるので、立ち位置をちょっと改良し、
TopとSecの立ち位置を交換してBassの前にSecを持って来てみた。
そうするとBassとTopが充分聞きあえない事が判ったので、Bassの両側にTopとBarを並べ、その3パートはいずれも縦に並ぶ事にする。
そうなるとBassの二人が指揮を見れなくなるため、その二人にはSecの両側から顔を覗かせる事にする。
結果的にはやはり無理があるようで、今度は通常通りに戻そうと思った。
全員の立ち位置のバランスを見た後、礼をするため客席側に振り返った瞬間・・・。
スポッと履いていたスリッパが右足だけ脱げてしまった。
(坂出高校音楽ホールは土足厳禁のためスリッパを借りて履いて出演している。)ありゃっ、
−おそらく表情にも出ていただろう−やっぱり緊張していたか。
苦笑しながら履きなおして礼をしていると客席(演奏を終えた高校生達)からクスクスと失笑が漏れる。
ところが、私はこれで逆に吹っ切れた。こうなれば笑いを取ってやる位のつもりで、
メンバーの方に向き直ると大げさに肩や首を回して緊張をほぐす事をアピールする。
(こんな失笑を買ったグループが逆に好成績を上げたらウケルよな)などと考えつつ・・・。
でも、どうやらメンバーもこの一件で吹っ切れたのかリラックスできたらしく、
ステージ終了後に「あれ(スリッパ脱げ事件)わざと?」などと聞かれる始末。
適当に体をほぐした所で音叉を取り出して音取りをする。笑顔で構えて、演奏開始。
・・・。実の所、演奏としては曲想はともかく、売りのハーモニーが恐れていた通り「市場所見」の各所で破綻し、 かなり厳しいものとなってしまった。これは金賞も危ないか。 うっ、頭髪の危機(今回も「金賞を逃せば丸坊主」宣言をしていた)。 一昨日散髪に行ったばかりなのに・・・。
コンテストが終わり、審査結果発表までの間に会場入口で全員の記念撮影をする。
一部メンバーは所用のため一足先に帰る事になり、結果は電話連絡する事になった。
いよいよ審査結果発表。ステージに並んで発表を待つ。通常は児童、高校、一般の部の各賞を続けて発表されるのだが、
今年はちょっとした手違いがあり、児童、高校の部の各賞発表の後、先にそれらの賞状授与が始まってしまったため、
一般の部の発表が後回しになってしまった。頭髪への裁きを先延ばしされて緊張が高まる。
賞状授与が終わり、ようやく一般の部の各賞発表。金賞が決まった時には思わず髪を手で押さえて無事を喜ぶ。
今回は金賞2、銀賞4。
一般の部の賞状授与が終了すると高校の部のグランプリと全部門を通じて無伴奏曲のみを演奏した団体中、
最も良い演奏をした団体に送られるアカペラ賞の発表。近年では全部門を通じて最優秀団体の意味合いも持ってきている。
Singleにとっては、この賞は設立されてからずっと目指していたものであった。
高校グランプリは坂出高校のグループ。客席の一部から一際大きな歓声が上がる。
同校のコンクールでの活躍ぶりを見れば、まあ順当な結果。
いよいよアカペラ賞の発表。
「高校グランプリが坂出高校だったという事は可能性があるかな」丸坊主の危機が去ったとたんにそんな邪な期待が膨らんでくる。
昨年は三木高校が高校グランプリを取った代わりにアカペラ賞が坂出高校のグループだった。
ようするに1位 坂出高校、2位 三木高校という訳だ。
もっとも、坂出高校からは複数のグループが参加しているから予断は許さないが。
「アカペラ賞は・・・、一般の部に出演されたSingle Singers Unlimited」
「ォ・・・ッシャー!」吼えました。天を仰いでガッツポーズ。小走りに賞状授与に向かう。 賞状とメトロノームを模した記念品を受け取ると客席のメンバーに向かって再び吼える。 「ヤッタゾー!」もはや周囲の状況も分からず騒ぎました。いつもは発表での高校生の騒ぎっぷりに眉をひそめていた癖に・・・(^^;)
全てが終了し、会場外で残っていたメンバーと共にひとしきり祝った後、仮打ち上げに行く。全メンバーによる打ち上げはまた後日。 先に帰ったメンバー、今回参加できなかったメンバーに電話で連絡する。 ひとしきり飲み食い、語っての打ち上げとなった。
今回の演奏はハーモニー面ではおそらく他の団体と同レベルだっただろう。
むしろ全員で討論して作りあげた曲想や、お互いに指摘し合って細かい箇所の完成度を高めて行った事が評価されたのだと思う。
自分の目標としていたグループの活動ができて、それが最高の評価を受けた事が今回最も嬉しい結果であった。
一方、アンサンブルコンテスト全体から見ても、毎回数少ない男声グループで初の総合1位受賞。
また、ここ2年間高校生グループに持って行かれていたのを久しぶりに一般団体が取り返した事もコンテストに新風を吹き込む効果があったのではないかと思う。
嗚呼、それにしても長かった。
純正律ハーモニーを目標としたものの、その方法論については手探りであった事、
私自身のハーモニーへの理解不足から選曲ミスが続き、2年目には一般の部最下位の屈辱を受けた事もあった。
方法論を確立しつつも発声の問題等から旋律の不安定さを招いて銅賞に終わった3年目・・・。
4年目にようやく選曲を改善し、ハーモニーを確立。主旋律は自分で担当し「これで文句はあるまい」とやさぐれながら臨み、
初めて一定の評価を得た事。自分達のこれまでの活動に理解を示してくれていた人達と共に参加してついに金賞に輝いた昨年。
おそらく、アンサンブルコンテスト開催以来、毎年しつこく出場し続けてきたのは私達以外ほとんどないだろう。
まあ、うちも全て出場したのは私と田中氏だけだが(^^;)
今回の参加メンバーはハッキリ言って「ドリームチーム」。これまでの「独身オンリー」の縛りを撤廃して、 グリークラブ香川のメンバーの内、Singleの音楽を実現する上で考えうる最高のメンバーでのぞみました。 それだけに、このメンバーで実績を上げられなければ明らかに私の指導力と音楽の問題という事になる訳で(^^;)
キッカケは11月に行われた「マタイ受難曲」の打ち上げの席上、SSメンバーとアンコンの曲目の相談をしていると、
グリーのTopパートリーダーR.K氏が「次回は何するの?」と加わった事であった。
氏はSecパートリーダーのT.S氏が中心のグループに参加して好成績を修めていたのだが、
今年はそのT.S氏が出られないため予定がないとの事であった。
それまで私は、「今年はリラックス(賞等を考えずに)して、何か日本語のポピュラーソングを」と考えていた。
昨夏受けた多田武彦氏の講義のおかげで日本語の曲をやってみたいと思うようになっていたからである。
ところが、そこにR.K氏が参加したために、ふと氏の望んでいた事を思い出す。
氏は学生時代に「木下杢太郎の詩から」の改訂版初演を聴いて衝撃を受けた事から、
以前からこの曲を歌いたいと言っていたのだが、グリー創団当時より12年、
ずっとTopパートリーダーとして団に尽力されていたにも関わらず、団の選曲にこの曲は一度も候補にすら上がった事がなかったのである。
「団にこれだけ尽くしているのにやりたい曲が出来ないのでは、やる気も萎えてくるのではないか。
この状態はいくらなんでもまずいだろう。」
という思いがムクムクと湧きあがってきた。
「じゃ、一緒に杢太郎でもやりますか?」気がつくとそんなセリフを発していた。とはいえ、それほど悪い思いつきでもない筈。
この時点でこちらの話は完全に暗礁に乗り上げた状態だったし、私も興味のある曲でもある。この際、
誰かがやる気になれるならばOKでしょう。
「いや、それは皆に悪いでしょう・・・。」と言いつつも目がキラキラと輝くのは隠せないようだ。
SSメンバーも特に名案がなく、「リーダーに一任する。」という状態だったので、全く抵抗なく受け入れられた。
メンバーにも、R.K氏の団への尽力ぶりは良く理解されているようで、
この決定がそうした氏の人柄と行動が根底にあったからである事は特筆すべきであろう。
まあ、私が上記のセリフを発したのは、Singleの音楽にも合致する発声で、
かつ豊かな旋律表現のできる高度な実力を持つ氏を引き込もうという意図があった事も確かだが(^^;)
それからのR.K氏の行動は凄まじかった。氏の「どうせ参加するなら金賞を取りに行こう。」との掛け声のもと、 当初「3.柑子」を考えていた選曲を、変化が多くハーモニーも生かせる「1.両国」に変更。 助っ人依頼するメンバーを相談すると即日、Top、S.K氏、Bass、H.M氏の許諾を取り付ける。 その後も二ヶ月間に20回という膨大な練習日を設けたのだが、なんとそのうち15回の練習に参加するというとんでもない力の入れよう。 元々真面目な性格の方ではあったが、一度スイッチが入るとこれほどの行動力を発揮されるとは!
そんなある日、ニュースス○ーションを見ていると、同番組の歴史を振り返る企画があり、その中で久○宏が、
ある年の春のスポーツコーナーで「今年の巨人に優勝の可能性はありません。もし優勝したら頭を丸めます。
」という意味のコメントをして、結果、巨人が優勝してしまったため、公約通り丸坊主にしたという下りがありました。
そこで、私もそれに習う事にして、「今度のアンコンで金賞が取れなければ頭を丸めます。
」と参加メンバーや一部のグリーメンバーに宣言しました。
ところで、今回は珍しく次回の参加企画や曲目についてHPで公表していたのですが、そこで思わぬ反響がありました。
Scaffale氏が自身のHPの掲示板や(未認可版)多田武彦合唱作品データベースの掲示板で、
「香川県のアンサンブルコンテストを聞きに行きます。」と宣言されたのです。
まずい!資料室で偉そうに他人の演奏の評論等をしているくせに、
自分の演奏は大した事がないとバレてしまうではないか。嗚呼、なんでタダタケなんか選曲したんだろう。
大体、Scaffaleさんもわざわざこんな公の場で公表しなくてもいいじゃないか。
誰だ!自分の行く演奏会を人の掲示板で宣言するなんて馬鹿な事を考えた奴は!・・・あ、自分だ(^^;)
と半ば分裂気味になりつつも当日を迎える。
そのT女史のグループDC3(仮称)はグリーのメンバー2名を含む4名の混声グループで、所謂アカペラ的なコーラスをしている。 教室端で聞かせてもらっていると、良く声が出て各パートが明確に聞こえており、ポピュラーソングという選曲もあり、 大変聞きやすい演奏をしていた。 その直後、TBHから連絡が入り、車の誘導のために外に向かっていると後からR.K氏が追いかけてきて「上手かったな。」と一言。 言わんとしている事は「DC3の方が上手いみたいだけど、うちの演奏で金賞とれるかな。」という事。 まあ正直、私も分からないというのが本音。DC3は旋律で押す演奏だが、こちらはハーモニー重視。 基本的に演奏の方向性が違うので一律に比較する事は難しいと思われるし、最終的には審査員の好み次第、 というか彼らの演奏のように、伸びる声を重ねればそれらしい響きがするので、それをハーモニーと判断されれば厳しいだろう。 確かにうちの演奏は地味だしなあ・・・。先程の練習での不安もあるし、本番を直前に控えて不安がつのる。
TBH、児玉両名が到着して、もう一度だけ廊下で合わせる。メンバーが増えたせいか今度はハーモニーも上手くいった。 これには心底ホッとして思わず窓枠に突っ伏して嘆息を吐いてしまった。 これで充分良い演奏ができそうだ。
携帯に連絡が入り、車で向かって来ていたS.K氏に道を尋ねられる。どうやら一つ交差点を間違えて迷ってしまったらしい。 説明しながら校門に移動し、ようやく到着した同氏を駐車場に誘導すると、もうリハーサル集合の時間。 そのまま会場に向かう。結局、8名揃って合わせたのはこのリハーサルのみであった(^^;)
ところで、この日の衣装は「ネクタイを締められる格好」といういささか抽象的な指定。
これは旧メンバーに昨年と同じ水色のネクタイを締めてもらいたいためである。一応、あれがSingleのユニフォームのつもりなので(^^;)
それを受けてみんななかなか考えた服装であった。私自身は「やはり、水色のネクタイには白のジャケットだろう。
」と訳の解らない理屈でΚΟΣΜΟΣ時代に使用していたジャケットを引っ張り出して着用。さすがに10年前に作った服ではキツイ。
というかそれ以上に、メンバーの渋めの装いに比べてかなり浮いたモノになったのには苦笑。
ハーモニーの春号の最後から2ページ目の左中央部辺りに演奏時の写真が掲載されていますのでお持ちの方は笑ってやって下さい。
本番の様子については割愛。
成績発表では金賞の発表を聞いて嬉しいというよりはホッとしたという気持ちの方が強く、ひな壇上では胸を撫で下ろしていた。
むしろ、客席にいたメンバーの方が喜びを爆発させていた。本当に待たせたもんなあ。
しかし、結果として一般の部出場4団体の内、他グループが全て銀賞に留まり、
金賞を受賞したのが当グループのみに終わったのにはかえって私の方が当惑してしまった。
今日のコンテストにはScaffale氏がみえられており、後で聞くと、 広島ではまだアンサンブルコンテストがおこなわれていないため、どんなものか興味があったとの事で、朝の演奏から聞いていたそうだ。 コンテストが終了して解散した後にようやくお会いして、駅前でお茶しながら今日の演奏や氏の作曲活動等、音楽談義に花を咲かせた。 結果、かなり遅くなったので申し訳ありませんでした。
バッカスフェスタ BACCHUS FESTAについて
ようするに男声合唱のみによる合唱祭。
学生グリー全盛時代を過ごした世代の人々が(様々な要因があったと思いますが)再び男声合唱活動を始めた影響で、
近年、社会人男声合唱が盛んになり、各地で新しい男声合唱団が創立されるなど、ちょっとしたブームを巻き起こしています。
(グリークラブ香川もそんな団体の一つですね)そんな中、
おかあさん大会といった女声合唱の祭典に対して、男声合唱のイベントを行おうという動きが登場し、
いくつかのイベントが企画されるようになりました。
なかでも関東合唱連盟が企画した「おとうさんコーラス大会」は規模、活動の大小に関わらず、
たくさんの男声合唱団を集めた祭典として、注目を集めました。
このバッカスフェスタは関西合唱連盟が企画した同様のイベント。バッカス(BACCHUS)とは酒の神様の事で、
男声合唱と酒は切っても切れない関係(^^;)という訳で大変適切なネーミング。また、その名に恥じず、
イベントの後にはホールのロビーでビール、日本酒、ワインといった各酒飲み放題の打ち上げを行っています。
(確か「おとうさんコーラス大会」の打ち上げも似たようなものだとか。)
昨年、22もの団体を集めて大成功をおさめ、2回目となる今回は、なんと倍の40団体が参加する。
私(井上)は元々こうしたイベントに興味があり、 「お父さんコーラス大会」の話はハーモニー(全日本合唱連盟発行)で興味深く読んでいたが、 残念ながら私達には参加資格がなかった(^^)ので、只眺めているよりありませんでした。そういった経緯もあったので、 昨年、このイベントを客席で見ていて「是非、同じステージで歌ってみたい。」という衝動に駆られ、 その月からメンバーへの啓蒙を始め、また同時に参加申請するために知人を通じて情報収集を行う。 昨年は開催日が11月3日で、関西六連と重なっていたため、演奏こそ全団体聴いたものの打ち上げは見送らざるをえなかったが、 今年は11月5日開催とそういった点でも配慮がなされており(^^;)、大変楽しみにしていた。
とはいえ、実際に取り組んだのは遅く、そのため参加申請が遅れて、 関係者の方々にご迷惑をおかけした事をこの場を借りてお詫び申し上げます(見ている訳ないケド)。
昨年は参加団体がそれほど多くなかった事もあって、各団体の演奏前に司会者と団体代表者による団紹介が行われた。 これが各団体の個性が出ていて楽しく、また初めて聴く団体のエピソードが分かり演奏への期待を高める事ができて大変素晴らしい演出でした。 今年は参加団体数が大幅に増えた事から時間の都合によりカットされてしまったが、 関西圏以外から参加したという事で東海メールと私共SSについては解説をして頂けました。 当団についても好意的かつ的確な紹介をして頂きまして、大変感激しました。
肝心のSSの演奏については・・・。
出演順については当方のメンバーの都合に合わせて頂き、遅くしてもらっていたのですが、それにしても広瀬康夫先生の「FOUR ROSES」の後とは。
余り事態を理解していないメンバーは特に気負う事もなく自然体で歌ってなかなかの効果をあげていましたが、
私自身が緊張して音を外す始末。こらあかんわ。
ステージ上には審査をして下さる(四ツ橋筋中年合唱隊として参加もしている)先生方が提供された酒が商品として飾られており、 表彰式で、良い演奏をした団体や、会場を盛り上げた団体に渡された。
今回は2回目という事もあってか、出演団体にも余裕のある所もあり、創価学会関西男声合唱団、FOUR ROSES、
トリを勤めたコール・セコインデ等に観客を楽しませる趣向を意識した演奏を行って好評を博していたのが印象的。
個人的に印象に残った団体としては兵庫県のクレセント・ハーモニーを挙げておきたい。
平均年齢は高いようでしたが、北欧等の新しい曲を積極的にレパートリーに取り入れ、しかも充分演奏効果を上げていた所が素晴らしい。
特に2曲目の「Italian Salad」は音楽用語を歌詩にして、その用語の意味する歌い方をする所に面白さがあるのだが、
私はスウェーデン(?)の合唱団が演奏しているCDで聴いた時に、言葉が聞き取れず意味が解らなかったという事があったので、
この演奏を聴いて初めて曲の面白さが理解できて、客席で一人大ウケしていました。
さて、私共のメインイベント、4回目である。どうやら、一般の部で毎回欠かさず参加しているのは私共だけになってしまったようだ。
結成から4年が経過し、ハーモニーに関する考え方も変化してきました。 今から考えると昨年、一昨年の曲は純正律ではハモらせられない和音が多く、効果の上がらない選曲でありました。 そうなると、結局旋律の音程の不安定さが強調されるので、印象を悪くしていたようです。
今回は結果は二の次として、ともかく基本に立ち返り、三和音を純正でハモらせる事を第一目標とする。そして、それを生かすべく、 選曲はその純正三和音が生きるものを。そうなるとやはり邦人曲はダメ。 デビュー時に演奏しているものの、北欧曲で唯一簡単に楽譜が入手できる「Finlandia」しかあるまい。 これで、反英独ラテン語路線、通称「外国語の発音、俺もできんがきさまら(審査員)もわかるまい!」シリーズの第4弾という訳だ。(^^;)
結果として今回は譜読みが速く終了し、ロングトーンで三和音が鳴る個所が多い事から、
暖めていた方法論をフルに活用していく。
・上3パートはBassとのハーモニーを聞いて自分の音程を合わせ、BassはTopを聞いて合わせる。
・前回問題となった各パートの離れ具合、声の飛び具合を改善すべく、並び方を新たに考えたものに変更する。
・ステージで他パートの声が聞こえなくなった苦い経験から、本番前には練習場でお互いに離れた立ち位置で聞き合う練習を行う。
また、これまでは音取りに時間がかかり過ぎて曲想をつける余裕がなかったのだが、今回は以前から私の中で渦巻いていた曲想をつけていく。
・強弱のレベルを3段階に絞り込み、単純明快な曲想指定を行い、それを徹底して行う。
・スピードはやや速めにして、フレーズをワンブレスで歌えるようにする。そしてブレスのタイミングを合わせる。
・諸事情により、今回はTopのメンバーが一人も本番に立てなくなった事から、私と児玉氏がTopを担当する事になったのだが、
テンポの変化については自ら先導して指導して行く事にする。
・高音部にてピアノで歌う個所を設けていたが、その場所では思い切ってファルセットにして響きを維持しつつ、
ピアノの表現を可能にする。
今年は準備期間こそ短かったものの、考えていた練習はほぼ実施できたと思う。 今回は満足できる演奏ができるだろう。審査員の判断(好み)がどうなろうと・・・。
当日練習は軽く合わせて勘を取り戻す程度のみ。基本的に休憩しておく。途中で時間が早まったため、
集合時に混乱があったが、無事揃ってリハに向かう。
出番は今年も2番目。これで3回連続。リハーサルは隣り合わせの部屋で2つの団体が同時に行う。
隣からは女声コーラスグループSの歌声が聞こえてくる。このグループは声楽家としての訓練を受けたと思われる美声のグループで、
一昨年のグランプリ受賞団体である。そういえば、彼女達とも3回連続で出番が前後しているな。
実は私はこのグループの事を好ましく思っていない。彼女達は完全に声だけで押す演奏で(さすがに表現力は見事)ハーモニーという概念は全くない。
その意味では私達とは対極の存在。ヴォーカルアンサンブルコンテストという建前から考えると、
一昨年のこのグループのグランプリ受賞は私にとっては大変腹立たしい出来事であった。
そんな事情もあり、隣から聞こえる歌声に感情が高ぶり、最も盛り上げる個所では彼女達の声を消そうと思う程声を張り上げる。
本番。予定通り2列に並び、まず田中氏が下のAsの音を出し、
その上に四声が乗って最初のハーモニーを作るという独特の音取りをしてから演奏開始。
今年はこれまでのテルサとは違い、響かないホールのため、
「周囲の声が聞こえず歌いにくい」という意見があちこちから聞こえてきたが、
私達は新しい並び方のおかげでじっくりと聞き合う事ができたので、練習の成果を充分発揮できた。
特にBassの音がキッチリ聞こえて来るので、非常に気持ち良く歌う事ができた。
惜しむらくは、自分の風邪が治らなかったので、響きが不安定で伸びが足りず、
特に最後のロングトーンで私が最初に途切れさせてしまった事だ。
控え室に戻ろうとすると、グリーのA氏に呼び止められる。彼は今回のコンテストの審査の集計を担当していたので、
詳しい審査結果について教えてくれた。
カペラアンティーカ香川(グリーから出場した、リーダー級のカルテット)は1位の金賞。
Single Singersも銀賞ではあるが、順位としては第3位。グリーからの出場団体は減ったものの、面目は保てたと言えるだろう。
との事。
上記の事をメンバーに伝え、一定の評価が得られた喜びを分かち合う。
残念ながら全員用事があるという事で、打ち上げは後日とし、ひとまず記念写真を撮って解散した。
メンバーと別れて車に乗り込み、ほっと一息をつく。リラックスしてくるにつれて、ある事に気付く。
「女声コーラスグループSも銀賞であった。」
Single Singersは銀賞受賞団体の中では一番高い評価を得た。という事はSよりも高く評価されたという事である。
「ハーモニーが声だけの演奏に勝った。」
この事は今回の審査が以前よりヴォーカルアンサンブルコンテストという建前に合致したものになったという事であり、
また、私達の演奏がハーモニーとして評価されたという事でもある。
(後日、何人かの方からも「評判が良かった」という話を聞く事ができた。)
今回のイベント最大の成果であった。
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