ＥＸＣＬＵＳＩＶＥ Ｃ３ａ
ＳＴＥＲＥＯ ＰＲＥ-ＡＭＰＬＩＦＩＥＲ ￥３８０，０００
パイオニアが高級機専門のエクスクルーシブブランドで１９７９年に発売したプリアンプ。オリジナルモデルは，
１９７３年にパワーアンプＭ３とペアで発売されたＣ３で，Ｃ３ａがその２世代目のモデルにあたりました。
ハンドメイドで仕上げられた高級機で，暖かみのあるくせのない大人の音が高い評価を得ました。
Ｃ３ａの大きな特徴は，回路構成等きわめてオーソドックスながら，各部に贅を尽くし，ゆとりを持った設計が
なされていたことでした。実際の音楽を聴いたときの動特性を重視し，徹底的な試聴によって詰められた設計
とも言えました。
イコライザー回路は，１４０Ｖの高電圧設計が行われ，最大許容入力も通常よりゆとりを持たせ，７００ｍＶを確
保し，ＲＩＡＡカーブ偏差も±０．２dB以内（３０Ｈｚ～１５ｋＨｚ）の特性が保証されていました。
初代のＣ３からの改良・強化点はパーツ等の高品質化を中心に行われ，マイラーコンやスチコン，ＶⅡコンなど
高級なコンデンサーがふんだんに投入され，内部の配線材料はすべて純度９９．９９％以上の無酸素銅線が
使用されていました。プリント基板には，通常の４倍にあたる１４０μ厚もの銅箔が用いられたガラスエポキシ
基板が採用され，基板内部の直流抵抗，インダクタンスの減少が図られていました。リアパネルのピンジャッ
クやアッセンブリーの端子もすべて金メッキが施されていました。電源コードも，電源コードの芯線を色分けし
て極性の管理を行った，二重絶縁の高信頼性と１５Ａの大容量を誇る電源コードが搭載されていました。
回路構成などは前モデルと同一であり，発売当時，Ｃ３のユーザーには実費でのフレッシュアップが可能という
ことになっていました。
プリアンプで，最もキーとなるボリュームには，２２接点のアッテネーター式のものを搭載し音質への悪影
響を最小限に抑え，フラットアンプのトップとアンプ終段の２カ所でコントロールする高精度な４連ボリュー
ムとして，実使用時の残留雑音を低減していました。
以上のように，Ｃ３ａは，各部に贅を尽くしたゆとりの設計とハンドメイドによる丁寧な作りを誇るまさに高級
プリアンプでした。ローズウッド調のウッドキャビネットに納められた優美な外観どおりの，くせのない大人の
音を聴かせてくれるプリアンプでした。
以下に，当時のカタログの一部をご紹介します。
