翻訳者大西央士作品紹介

 

ジョーン・W・ブラウンの横顔

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 1945年、オハイオ州クリーヴランド生まれ。

 フローラ・ストーン・マザー大学、ウィスコンシン大学を卒業後、ニューヨークのブロンクスへ。

 そこでトム・ブラウンさんと結婚し、3人の子どもをもうけるが、トムさんが心臓を患い、1985年に彼女の生まれ故郷のクリーヴランド・クリニック・ファウンデーション病院で心臓移植手術を受ける。

 結局、トムさんはその3年後に死亡。

 ジョーンさんはその後、心臓移植を受けた患者の家族の体験を本にして書き残そうとし、一時はブラック・ユーモア小説なども試みたが、うまくいかなかった。

 そんなジョーンさんがふと思いあたったのが、患者を犬に置き換え、犬の視点から患者やその家族の心の揺らぎを表現することだった。

 家族の目の前で、それまで一家の柱としてやってきた夫が、しかたのないことではあるが、医療の手によっていじりまわされ、不満をいだきながらも、じっと耐えていた姿が、自宅で飼っていたことのあるポインター犬の姿とだぶったのだ。

 正直に申し上げると、実は訳者のわたしは、最初はそれを知らずに訳していた。そして、ふつうの愛犬物語の枠にはおさまりきらないストーリーを不思議に思いながらも、最後の一節などの、妙に胸に迫ってくるようなところにひかれていた。

 だが、もちろん、わかってみれば、納得だ。ジョーンさんと同様に、家で犬を飼い、病気の妻をかかえているわたしにとっては、なるほど、なるほどと思えるところが随所にあった。とくに、最後の一節などは、命のはかなさ、無常さを充分に感じさせてくれるものだった。

 ジョーンさんは音楽教師としての顔ももち、ブロンクス・コミュニティ大学のなかにあるブロンクス音楽学院の先生を務めている。

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