SS-G777ESの写真
SONY  SS-G777ES
3WAY SPEAKER SYSTEM ¥200,000

1988年にソニーが発売したスピーカーシステム。APM方式から転換して,コーン型,ドーム型
>ユニットを搭載した>オーソドックスな3ウェイのブックシェルフスピー カーシステムとして仕上げら
れていましたが,各部にしっかりと物量が投入され た1台でした。

ウーファーは,30cm口径のコーン型で,振動板として高い強度を持つカーボンを使用していま
した。この当時,各社のスピーカーシステムにカーボンファイバーが広く使用されていましたが,
ソニーは,最も早くカーボンをウーファー等の振動板に取り入れたブランドでした。カーボンは,>
基本的に硬い炭素という素材であるため,振動板に使用して成り立たせるために各社いろいろ
苦労し工夫してきました。当初は,紙パルプに炭素繊維を混抄する方式(ソニーのカーボコン等)
が登場し,その後,カーボンの短繊維あるいは結晶粉末(グラファイト)をポリプロピレンなどの
樹脂系コーンに混入する方法やカーボンファイバーで布を織って,樹脂等で固める方法(クロス
カーボンピュアカーボン等)などが登場しました。
SS-G777ESのウーファーでは,炭素繊維の強さを有効に生かすために,単一方向性のカー
ボン繊維(ユニディレクショナルファイバー)を採用し,56分割したカーボン繊維を振動板の駆動
点であるネック部から円周へ向けて放射状に引き揃える構造をとっていました。これにより,
(1)ボイスコイルからの振動がよりピュアによりスムーズに振動板へ伝わる,(2)外周からコーン
ネック部へ向かってカーボン繊維の密度が上がるため,振動板として理想的な強度分布が得ら
れる,(3)カーブドコーン状としたため,カーボン特有の鳴きが抑えられる,などのメリットがあり
ました。

SS-G777ESのウーファー

SS-G777ESでは,全ユニットに贅沢なアルニコマグネットを使用した壺型内磁構造の磁気回路
を採用していました。フェライトの200倍以上の導電率と,約1/4の磁気抵抗という優れた性能
のアルニコマグネットを高磁束・低漏洩で高効率の壺型内磁構造の磁気回路で駆動することでよ
り高い駆動エネルギーとネットワーク等への影響低減を実現していました。
ウーファーを駆動する磁気回路には,アルニコマグネットと巻き幅24mmの超ロング無酸素銅エッ
>ジワイズドボイスコイルを採用していました。
ウーファーを支えるフレームは重量級のMCマウンド型フレームで,重量4.2kg平均肉厚10mm
という強靱な構造として,不要な振動を抑え,クリアな低音再生をめざしていました。

ミッドレンジは,6.5cm口径のドーム型で,振動板にはファインセラミックスを使用していました。
ファインセラミックスの中でも特にすぐれた特性を持つといわれるSiC(酸化ケイ素)を無垢材として
使ったSiCファインセラミックス振動板(純度99.9999%)を採用しすぐれた熱伝導率や耐熱性な
に加え,音響用素材としてトップクラスの伝播速度を持つSiCのメリットを生かして高いポテンシャル
を持つ振動板を実現していました。
磁気回路には,ウーファーと同様に大型のアルニコマグネットと口径65mmの無酸素銅エッジワイ
ズドボイスコイルを採用していました。また,通常のアルミダイキャストの20倍以上の減衰特性を
持つ特殊吸振合金製アルミダイキャストフレーム,純銅製バックチャンバーなどを採用してすぐれ
た中音域の再生能力を実現していました。

SS-G777ESのミッドレンジ

トゥイーターは,2.5cm口径のドーム型で,ミッドレンジ同様にSiCファインセラミックス振動板を
採用していました。すぐれた伝播特性により50,000Hzまでの再生帯域を実現していました。磁気
回路もミッドレンジ同様にアルニコマグネット,吸振合金製アルミダイキャストフレームを採用してい
ました。

SS-G777ESのトゥイーター

エンクロージャーは,「アコースティックフォルム」と称するもので,特殊積層合板を用いた丈夫なバッ
フル板の表面に大きくテーパーをつけ,音の回析現象を抑制したものでした。当時多く見られたラウ
ンドバッフルとは異なるアプローチを見せるもので,エンクロージャー全体の設計としても,エンクロー
ジャーの鳴きをプラス要素に転化させて,より自然な響きをめざしたものでした。

テーパードバッフル>

ネットワークは,リニアリティのよい空芯コイルやヨーロッパ製のメタライズド・ポリプロピレン・フィルム
コンデンサーなど良質なパーツを厳選して使用し,さらに,低損失化のため,各素子を無ハンダ結線
していました。また,ウーファー,ミッドレンジ,トゥイーターの各ネットワーク間,回路間,パーツ間の電
磁的な干渉を抑える分散配置がなされていました。
背面のターミナルは,バイワイヤリング接続が可能な2系統を装備し,高音域,低音域それぞれに専用
のネットワークを内蔵する設計になっていました。

ネットワークの高品質パーツ

以上のように,SS-G777ESは,平面型ユニットAPM搭載のスピーカーを経て,再びオーソドックスな
コーン型ユニットのシステムとして作り上げた高級機で,ユニット,エンクロージャーともしっかりと物量を
投入した力作でした。より自然な音の響きを求めた設計は,なめらかなすっきりとした音を実現していま
した。


以下に,当時のカタログの一部を紹介します。



自然な響きの中に
音楽の実像が鮮やかに浮かびあがる。
ユニットに,キャビネットに。
最大級の贅を尽したプレステージモデル。


◎より美しく,豊かな低音の響きを求めて。
 ユニディレクションファイバー振動板採用の
 30cmウーファー。
◎素顔の音楽がありありと浮かびあがる。
 SiCファインセラミックス振動板採用の
 6.5cmミッドレンジ。
◎音のディテールを鮮やかに再現。
 SiCファインセラミックス振動板採用の
 2.5cmトゥイーター。
◎エンクロージャーのフォルムも美しい響きに貢献する。
 アコースティック・フォルム・エンクロージャー。
◎回路ごとの分散配置や,厳選パーツの投入で
 ユニットの性能をフルに引き出すネットワーク。




●主な仕様●

形式
密閉型3ウェイスピーカーシステム
使用スピーカー
ウーファー(低音用):30cmコーン型
ミッドレンジ(中音用):6.5cmドーム型
トゥイーター(高音用):2.5cmドーム型
公称インピーダンス
6Ω
定格最大入力
100W
瞬間最大入力
200W
出力音圧レベル
89dB/W/m
実効周波数帯域
25〜50,000Hz
クロスオーバー周波数
450Hz,5500Hz
大きさ
430W×740H×360Dmm
重さ
47kg


※本ページに掲載したSS-G777ESの写真・仕様表等は1988年6月
 のSONYのカタログより抜粋したもので,ソニー株式会社に著作権
 があります。したがって,これらの写真等を無断で転載,引用等を
 することは法律で禁じられていますので,ご注意ください。

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