SE-A100の写真
Technics SE-A100
STEREO POWER AMPLIFIER ¥300,000

テクニクスが1985年に発売したパワーアンプ。歪みのない音を一貫して追及してきたテクニクスが,米国スレッ
ショルド社の「STASIS(ステイシス)回路」のテクニクス版ともいえる画期的な「classAA回路」を開発し,初めて
搭載した高性能パワーアンプでした。

SE-A100の最大の特徴は,上記の「classAA回路」でした。「classAA回路」は,通常一つのアンプ内で行わ
れる電圧コントロールと電流ドライブの2つの動作をそれぞれ独立させ,別個のアンプに受け持たせたもので,左
右合わせて2つの電流ドライブアンプと電圧コントロールアンプで計4個のアンプで構成され,「VC-4アンプ構成」
と称していました。

VC-4アンプ構成

この「VC-4」アンプ構成は,出力インピーダンスが無限大の電流ドライブアンプと出力インピーダンスが0の電
圧コントロールアンプをパラレルにつなぎ,電流供給から開放された電圧コントロールアンプが入力信号に忠実
に電圧コントロールし,スピーカー駆動に必要な電流は電流ドライブアンプから存分に供給されるというある種理
想的な動作方式となっていました。その結果,スピーカーによる負荷インピーダンス変動にも電流/電圧の位
相ズレのない安定した伝送・増幅特性を得るというものでした。

SE-A100の電圧コントロールアンプは,ワンチップデュアルFETによるFET差動入力段とPc150W×2chの
出力トランジスターを持つダーリントン構成で,純A級動作のアンプとなっていました。
電流ドライブアンプは,FET差動増幅入力段,フィードフォワードタイプのブートストラップ電源を配したハイスルー
レイト振幅増幅段,及び3パラレルの出力トランジスターを使用したPc450W×2/ch・4段ダーリントン構成の
出力段により構成され,大電流を50A/μsという超高速で供給する性能を誇りました。

電源部は,Lch,Rchそれぞれの電流ドライブアンプ用電源トランス×2とL・Rchの電圧コントロールアンプ用ト
ランス×1の計3基のトランスを搭載し,左右チャンネルの相互干渉を排除した,Lch/Rch完全独立構成にな
っていました。
電源トランスの巻線は無酸素銅線を使用するとともに,完全整列巻線法による,高密度高効率技術が施され,
優れたレギュレーションを実現し,トータル容量91,200μFの大容量電解コンデンサとともに,強力な電源供
給能力を備えた電源部としていました。さらに,これらの電源トランスは,トータル3重の磁気シールドケースの
中に特殊レジンで封入され,機械振動や磁束漏れなどの電気的ノイズが低く抑えられていました。さらに,大
電流を扱い電磁輻射の多くなる出力段と電源部を一体化した「コンセントレーテッドパワーブロック」の採用で,
電磁界の影響を抑えていました。

SE-A100の内部

キャビネットは,天板に3mm厚・2.3kgの重量級のものを使用し,2mm厚の高剛性シャーシ,トランス底面
の2mm厚インシュレーターラバーの採用と合わせ,磁気輻射・機械振動を抑えていました。
アースラインには,2mm厚・10mm幅の無酸素銅ブスバーを配置し,配線材にはLC-OFCコードを使用し,
背面の入力端子は金メッキ仕様となっていました。電源コードも強力な電源部に対応して50芯無酸素銅線
外径7.4mmの極太電源コードを使用していました。

以上のように,SE-A100は,エントリークラスのセパレートアンプのパワーアンプではありましたが,新回路
「classAA」を初めとして,各部に物量を投入したしっかりした作りのパワーアンプでした。テクニクスらしい歪
み感の少ない力を内に秘めた音が印象に残っています。
 
 

以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。

美学と力学。Aの二重奏。
200W+200W/THD0.0007%。
高純度スピーカー駆動の解答を示す,
クラスAAパワーアンプ。

◎200W+200W,THD0.0007%を実現,
 デジタル時代を真に語れる高性能。
◎電圧制御と電流駆動を独立させた
 VC-4アンプ構・classAA搭載。
◎大型3トランス,大容量電解コンデンサを搭載。
 素材にも贅を尽くした強力電源部。
◎コンセントレーテッドパワーブロック搭載
 電磁輻射による高域歪を解消しています。
◎素材から贅を尽くした高級キャビネット。
 機械振動の抑制,放熱効果も向上。
●SE-A100 SPECIFICATIONS●


実効出力 240W+240W(20Hz〜20kHz,4Ω,0.002%)
200W+200W(20Hz〜20kHz,6Ω,0.002%)
ダイナミック出力(IHF) 600W+600W(2Ω)
600W+600W(2Ω±60°リアクタンス負荷)
400W+400W(4Ω)
400W+400W(4Ω±60°リアクタンス負荷)
275W+275W(6Ω)
275W+275W(6Ω±60°リアクタンス負荷)
225W+225W(8Ω)
225W+225W(8Ω±60°リアクタンス負荷)
全高調波歪率 0.0009%以下(20Hz〜20kHz,−3dB,6Ω±60°)
0.0007%以下(20Hz〜20kHz,−3dB,8Ω±60°)
出力帯域幅 5Hz〜100kHz(cpo−3dB,0.01%,8Ω)
周波数特性 0.8Hz〜150kHz(+0dB,−3dB)
20Hz〜20kHz(+0,−0.1dB)
SN比(IHF’66) 120dB
ダンピングファクタ 120(8Ω)
入力感度/入力インピーダンス 1.2V/47kΩ
出力メーター指示範囲 −60dB〜+2dB
0.0001W〜300W(8Ω)
メーター指示精度 ±3dB(−40dB以上)
±5dB(−40dB未満)
電源 AC100V,50/60Hz
消費電力 400W
外形寸法 476W×209H×475Dmm
重量 33.7kg
※本ページに掲載したSE-A100の写真,仕様表等は1986年9月のTechnicsのカタログ
 より抜粋したもので,松下電器産業株式会社に著作権があります。したがって,これらの写
 真等を無断で転載・引用等することは法律で禁じられていますのでご注意ください。      
  
  
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