LS-G5000の写真
KENWOOD LS-G5000
CRYSTAL PLASMA DIAMOND SPEAKER SYSTEM
                         ¥170,000(1本)

1987年にケンウッドが発売したスピーカーシステム。高剛性を突き詰めたLS-1000の技術を受け継いだ
ともいえるモデルで,徹底的に物理特性を高めるためにそこに投入された物量は凄いもので,高い潜在能力
を秘めた高性能スピーカーでした。

LS-G5000の第1の特徴は,「静」と「動」を明確化するコンセプトのもと,LS-1000の設計思想をさらに追
求した高剛性なエンクロージャーにありました。前面バッフルは板は50mmの板厚とし,さらにスコーカー,トゥ
イーター周辺には20mm厚のバッフル補強板を使用してウーファー背圧の影響を防止する構造になっていまし
た。裏板は,LS-1000以来のピラミッド形状の構造として,剛性を高め,キャビネット内の定在波の発生を抑
えていました。

LS-G5000のエンクロージャー構造LS-G5000のリアバッフル

キャビネットは,両サイドに大型のラウンドをまわしたラウンドバッフルとして音の回析効果を低減していまし
た。さらに,ウーファーからの激しい表面波振動がトィーターやスコーカーに悪影響を与えることを防ぐために
トゥイーター,スコーカーの周囲に分離溝を設けていました。また,この溝自体が乱反射の原因となって音を
濁らせないために,レーザー光線を使った高精度な加工技術を用いて,分離溝を幅0.6mm,深さ10mmと
きわめて細く深い溝を切った「レーザー・プロセッシング・アイソレーションバッフル」としていました。

ウーファーは,30cm口径のコーン型で,振動板にはカーボン繊維を用いた「ポリゴナルカーボン・セラミクス
ウーファー」を搭載していました。これは,1000本のカーボン繊維の糸を織った従来のカーボン振動板から
3000本のカーボン繊維を1本の糸に束ねて平織りした3000フィラカーボンにより剛性をアップし,さらに,
セラミクス強化粉体をからませてカーボン独特の鳴きを抑えていました。振動板は7分割構造として,同心
円モードという構造的な鳴きを断ち切り,くせのない低音を追求していました。この高剛性な振動板を,直径
180mmの大型ストロンチウム・フェライトマグネットによる,総磁束200,000マクスウェルの強力な磁気回
路で強力にドライブしていました。この強力なウーファーは,の取り付けは,50mmの厚い前面バッフルをダイ
キャストでサンドイッチし,前後から強力に締め付ける「スーパープレスロックマウント方式」で行われ,ウーファ
ー自体の振動支点の明確化を図っていました。また,LS-990Aでも採用されていた「クラスAサスペンション」
を採用し,正確な振動板の動きを実現していました。

LS-G5000のユニット

スコーカーには,80mm口径のドーム型ユニットを搭載していました。ドーム形状を工夫して振動板から発生
する波面を球面波となるようにし設定し,その球面波をスムースに空間に広げられるように開口部に独特な
形状を持つバッフルを設置した,ケンウッド独自の「球面波ホーン」として,指向性と能率の向上を図っていま
した。振動板には,従来のプラズマダイヤモンド振動板を更に改良した「クリスタルプラズマダイヤモンド振動
板」を採用していました。これは,ダイヤモンド被膜をイオンプレーティングする技術を改良し,より常温でプラ
ズマダイヤモンドの被膜ができ,基材に対する密着力が高まり安定度の高い振動板とした新開発の振動板
でした。このスコーカーユニットの振動板は,ダイヤトーンのDUDにも見られるように,ボイスコイルボビン部と
ドーム部を一体構造にして伝送ロスを抑えたDSD構造としていました。駆動部には,直径156mmの大型の
ストロンチウムマグネットを装備し,フレームは,鉄とアルミの複合材防振フレームとしていました。
トゥイーターには,25mm口径のドーム型ユニットを搭載していました。スコーカー同様に,「クリスタルプラズ
マダイヤモンド振動板」と「球面波ホーン」「DSD構造」を採用し,さらに,エッジの不要輻射をなくした「ダイレ
クトインナー・クラスAサスペンション」を搭載し,繊細で正確な高域再生を実現していました。

ネットワークは伝送ロスを排除するため厳選されたパーツが使用されていました。内部配線材には極太無酸
素銅ケーブルを使用し,コイルも大型珪素鋼コア材の大型コイルとしていました。さらに,大型電解コンデンサ
ー,無ハンダカシメ方式配線を採用してエネルギーロスを抑えていました。ネットワークは帯域別に分散配置
され,クロストークを防ぎ,クロスオーバー付近の位相ひずみを抑えていました。

以上のように,LS-G5000は,ケンウッドが渾身の技術を投入したといった感じの力作でした。ケンウッドは
これ以降,このような大型のスピーカーシステムを作っていないため,最後の本格的大型システムとなってし
まいました。凄みのあるハイスピードな低音と高解像度な中高音は,アンプの性能をはっきりと出してくれる
色づけを感じさせない,物理特性の良さを感じさせる音でした。
 
 

以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。



素材が,テクノロジーが,
音のクオリティを語ります。

無限の夢と無限の深みを秘めた音楽。
この人間の感性最大の表出に限りなく近づくために
オーディオはもてる技術すべてを発揮して進化してきた。
いまここに,
原音に最も接近したスピーカーシステム,LS-G5000
音楽を聴く潤いの時をゆったりと,豊かに演出する。
 

強力磁気回路と,高剛性振動板が,
正確なピストンモーションを刻みます。
 ◎高剛性で,伝搬速度も大幅に向上。
  低音の深みを描き出す
  ポリゴナルカーボンセラミクス・ウーファー
 ◎キャビネットの鳴きを抑えた
  振動支点を明確化した
  スーパープレスロックマウント
 ◎振動板を正確に駆動する強力磁気回路
 ◎自然な音の放射を生み出す
  球面波ホーンスコーカー
 ◎ミュージック帯域である中域を一層充実。
  DSD(ダイレクト・スーパードーム)スコーカー
 ◎繊細な表情を生き生きと再現。
  クリスタルプラズマダイヤモンド振動板と
  球面波ホーンを採用した
  ハードドームツィーター
 ◎振動板のリニアな動きを実現する
  クラスAサスペンションと,
  ダイレクトインナー・クラスAサスペンション

高音質をクリエイトする新開発の
キャビネットとネットワーク。
 ◎高度なハイテック木工技術,レーザー
  プロセッシングアイソレーションバッフル
 ◎背面バッフルはピラミッド形状。
  高密度バッフル板使用の新構造高剛性キャビネット
 ◎回析効果を改善するラウンドバッフル・キャビネット
 ◎すべてにグレートスケールで
  エネルギーロスを排除するネットワーク
 ◎分離配置ネットワークは
  伝送系により発生するひずみもシャットアウト
 
 

●LS-G5000定格●


使用スピーカー 300mmポリゴナルカーボンセラミクス・コーン型ウーファー
80mmクリスタルプラズマダイヤモンド・セミドーム型スコーカー
25mmクリスタルプラズマダイヤモンド・ハードドーム型ツイーター
再生周波数特性 25Hz〜47,000Hz
最大入力 200W(EIAJ)
インピーダンス 6Ω
出力音圧レベル 91dB/W/m
クロスオーバー周波数 600Hz,6000Hz
最大外形寸法 400W×700H×383Dmm
重量 48kg(1本)

●専用スピーカースタンド●
SR-G5000 ¥50,000(2台セット)


寸法 天板 390W×305Dmm
地板 420W×400Dmm
高さ 282mm
重量 15kg(1台)
付属品 金属製スペーサー
※本ページに掲載したLS-G5000の写真・仕様表等は1987年11月の
KENWODのカタログより抜粋したもので,ケンウッド株式会社に著作権が
あります。したがって,これらの写真等を無断で転載,引用等をすることは
法律で禁じられていますので,ご注意ください。
 

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