CDプレーヤーのコーナー
CDプレーヤーは比較的新しいコンポーネントです。といっても
1982年に初めて商品化され,すでにその歴史も20年近くに
なります。CDプレーヤーが登場したときのあの大騒動もずいぶ
ん昔のことになってしまいました。技術の進歩の早い分野ですが
印象に残る名機・銘機も数多くあるように思います。

 
 
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SONY CDP−101
CDプレーヤーのオリジネーターであるソニーの商品化第1号機です。そして
多くのオーディオファンが初めて聴いたCD−プレーヤーがこれではなかった
かと思います。初めて聴いたときは,それまでのアナログディスクと違い,ス
クラッチノイズに悩まされない,立ち上がりの鋭い音にとにかく驚いたもので
す。今聴くといわゆるデジタルっぽい堅い音だったのかもしれませんが,とに
かくその衝撃は大きいものがありました。無音からいきなり大音量が出て思
わずスピーカーを見上げてしまったことを思い出します。
第1号機にして,さすがソニー。今のCDプレーヤーに負けない洗練された操
作性とすっきりしたデザインには感心したものです。

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NEC CD−803
第1世代のCDプレーヤーの中でソニーとともに非常に話題をさらっていた1台
です。第1世代にしてNDフィルターと称するデジタルフィルターを搭載していた
ことが何よりの特徴でした。(デジタルフィルターは当時珍しかった)音の方も
私が当時聴いた印象では,広がりのある音場感が特徴で,当時としてはレン
ジも広かったように記憶しています。当時,このCDプレーヤーが欲しくて,県
外の販売店まで試聴しに行ったのを覚えています。
しかし,何より強い印象を与えたのはそのデザインだったように思います。
第1世代のCDプレーヤーはこのようにディスクを縦にセットするものが多か
ったのですが,銀色のディスクがくるくる回り,まるでコンピュータの操作部の
ようなパネルとあわせ,オーディオ機器離れしたデザインで,さすが,コンピュ
ーターのNECの製品だなあ,と妙に感心したものです。(確かに現在パソコン
にCD−ROMが搭載されていることからもわかるように,CDプレーヤーはも
はやコンピューターなのかもしれませんが・・・・・)

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  DENON DCD−1800

ソニーと並ぶ国産デジタルオーディオ界の雄デンオンが,1983年,初めてオール
自社開発で発売したCDプレーヤーです。今見ても,そのクラシカルながら優雅な
デザインは美しいと思います。音の方も,マルチビット型の弱点,ゼロクロス歪み
をなくす工夫をしたスーパーリニアコンバーターを登載するなど,随所にデンオンの
デジタルオーディオ技術を感じさせてくれたものです。音の方も,その優美な外観
同様,それまでのCDプレーヤーに比べ,歪み感の少ない音だったことを記憶して
います。


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SONY CDP−553ESD+DAS−703ES

ソニーは1984年にセパレート型CDプレーヤーともいえるCDP-552ESD+DAS702ESという
システムを発売しました。国産の中でも,Lo−Dに続いて2番目だったと思います。ここで取り上げ
たCDP-553ESD+DAS-703ESはそのマイナーチェンジ機でした。CDP−553ESDは単体
でもCDプレーヤーとして使え,それにDAコンバーターDAS−703ESを加えてグレードアップする
という形になっていました。ソニーのCDプレーヤーもこの世代からデジタルフィルターを採用し,メカ
ニズムも新開発されて,音も操作性もぐんと良くなった記憶があります。リニアモーターを使ったその
メカニズムは,選曲の早さ,動作音の静かさとも,当時抜群のものがあり,現在でも高水準にあると
思います。セパレート化することにより,レンジがぐっと広がり,特に低音の支えが別物のようにしっ
かりしたものになりました。当時,CDプレーヤーの再生音の枠を大きく広げたと感じました。                                      


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Accuphase DP−80+DC81
アキュフェーズ初のCDプレーヤーで,本格的なセパレート型CDプレーヤーの幕開けを告げた製品
でした。CDトランスポートのDP−80は,上記のソニーのメカニズムを改良して使用し,選曲のスム
ーズさと静かさはすばらしいものでした。DAコンバーターのDC−81は何と,従来ICで済ませていた
DAコンバーターを,部品一つ一つの精度を追求してディスクリートで組んだ凝ったものでした。トラン
スポートとDAコンバーターの接続には,初の光リンクを採用していました。音の方は,透明感のある
しかもバランスのとれた堂々としたもので,当時,そのすばらしさに感動したのを覚えています。  
CD5年目の1986年の発売でした。

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SONY CDP−R1+DAS−R1
ソニー初のセパレート型専用のCDプレーヤーで,上記のアキュフェーズ機発売の1年後の
1987年の発売でした。アルミダイカスト製の重厚なメカニズムを採用し,高精度な読みとり
性能を誇っていました。DAコンバーターは,2つのDAコンバーターを並列使用した凝ったもの
で(現在アキュフェーズが採用している方式)あまり知られてはいませんが,内部には現在の
最新CDプレーヤーに見られるDSPも登載されていたそうです。両者の接続には光リンクをよ
り進めたツィンリンクを採用し,DAコンバーターのクロック精度をプレーヤーに及ぼし,完全な
同期をはかるようになっていました。これら当時のソニーの先進技術を採用したすばらしいCD
プレーヤーでした。音の方は,その別世界のにじみのない透明感に驚いた記憶があります。
                                             
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MARANTZ CD−34
マランツが1985年に発売した普及クラスのCDプレーヤーです。59,800円という普及価格帯
でありながらきわめて音楽的なすばらしい音を聴かせ,オーディオファンを驚かせた1台でした。
マランツは,ソニーと並ぶCDのオリジネーターであるフィリップス社との共同開発でCDプレーヤ
ーを出していました。そのフィリップスの優れた技術が生かされた正に戦略モデルとも言える存在
で,他社をあっと言わせたものでした。このクラスでありながら,4倍オーバーサンプリングのデジ
タルフィルターを備え,フィリップス自慢のスイングアームメカニズムを登載していました。さらに高
剛性のアルミダイキャストシャーシを採用し,この大きさ(320W×90H×300Dmm)で7kgもの
自重を誇り,振動対策もしっかりした,当時のこの価格帯では考えられないほどの充実した内容を
持ったモデルでした。

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TEAC ZD−5000
ティアックが1985年に発売した同社初の自社開発のCDプレーヤーです。ティアックは今でこそ,
エソテリックブランドを筆頭にティアックブランドでも優れたCDプレーヤーを発表し大活躍ですが,
本機がその第1歩でした。デッキで優れた技術を発揮していたティアックですから,そのメカニズム
はノウハウにあふれたものでした。しかし,何より本機を特徴づけていたのはディザ信号を使った
「ZDサーキット」でした。そのD/A変換部における新技術は,当時,音のよさと共に話題になった
ものです。現在でも,この技術は,同社の高級機にも生きています。



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Nakamichi OMS-70
ナカミチが1984年に発売したCDプレーヤーです。ナカミチの第1号機でした。カセットデッキの
分野で優れたメカニズム技術と録音再生アンプ技術を誇っていた同社のCDプレーヤは非常に
期待の目を持って迎えられたことを記憶しています。実際,その音は,同社のデッキに通じる色
づけの少ない,鮮明なもので,より高価格のCDプレーヤーにも負けないものでした。後のカース
テレオやコンピューターのCDドライブなどの分野での活躍はこの1台から始まったと言えます。
しかし,現在ではDRAGON-CD以降,あまり目立った活躍がホームオーディオの分野で見られ
ないことは残念なことです。



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−D DAD−001
ローディー(日立)が,1984年に発売した国産初のセパレート型CDプレーヤー。恐らく世界初
でもあったはずです。60万円という価格にも驚きましたが、当時の水準を超えた自然な音は今
でも印象に残っています。外観と通じるようなどこか暖かい音は、当時好印象を持って迎えられ
ました。このころの日立はオーディオに気合いが入っていました。DAD−003などの廉価版の
セパレート型を発売したり、CDプレーヤーのパーツに至るまで自社生産にするなど意欲満々で
した。CD時代を一つの契機にしようとしていたのかもしれません。その優れた技術は誰もが認
めることだったのですが、撤退してしまったのは残念なことです。

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YAMAHA CD−1a
1983年,ヤマハが発売した当時の同社の最上級機でした。ヤマハのCDプレーヤーの第1号機
であるCD−1の改良型として発売され,3年以上のロングランをしたヤマハCDプレーヤーの原器
ともいえる存在でした。その力強く気品のある外観デザインとしっかりした音は,発売後3年たって
もあまり古さを感じさせなかったことを覚えています。CDにおけるヤマハサウンドを確立した名機
といえると思います。

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ONKYO C−1E
1992年にオンキョ−が発売したCDプレーヤー。「QUESTシリーズ」と名付けられた一連の
製品の一つで,本機以外にプリメインアンプとスピーカーがありました。いずれもオーディオ機
器然としていないインテリアにマッチしそうなシンプルなデザインと繊細で上品な音が特徴で
した。中でも,このCDプレーヤーの美しいデザインはちょっと国産製品とは思えないしゃれた
もので印象的でした。あまり古い製品ではありませんが,気になる1台です。



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Technics SL−P1200
テクニクスが1986年に発売したCDプレーヤー。アナログプレーヤーの名機SL−1200
の型番を継承していることからも,このCDプレーヤーに対する力の入れようがうかがえま
す。従来のアナログプレーヤーと同様にラックの頂点の位置に置くことを要求するデスクトッ
プ型のそのデザインは,チューナーかカセットデッキのようなデザインのCDプレーヤーが多
かった当時,とても新鮮でした。プロ機のようなかっこいいデザインと多機能な操作性は好
評をもって迎えられていたことを思い出します。2年後に,D/Aコンバーターが18ビット化
された上級機SL−P1300が発売されました。テクニクスのアナログプレーヤーで培った
技術とデジタル技術が融合した名機だったと思います。

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NEC CD−830DS
NECが1988年に発売したCDプレーヤー。外観は至って平凡で目立たないものでしたが
世界初の16倍オーバーサンプリングデジタルフィルターやデジタルサーボ回路など,デジタ
ル技術のNECならではの極めて先進的な中身を持ち,その音も非凡なものがありました。
このころのNECのCDにかける熱意は相当なものがありました。知る人ぞ知る隠れた名機
だったと思います。

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ONKYO IntegraC−700
オンキョーが1985年に発売したCDプレーヤー。世界初の「光伝送方式」を取り入れたCD
プレーヤーとして話題になりました。デジタルフィルターとDAコンバーターの間を光ファイバー
ケーブルで接続することにより,電気的にデジタル部とアナログ部を遮断し,相互干渉による
音質の劣化を抑えようとするもので,当時,その透明感のある中高域が「光伝送」の威力かと
いうことで多くの追随者を生みました。

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KENWOOD L-03DP
ケンウッドが1982年に発売した同社のCDプレーヤー商品化第1号機です。当時オーレックスと
緊密な関係を持っていたことから,共同開発による製品で,オーレックスのXR-Z90との共通点が
多い製品でした。第1世代機ながらバランスのとれた音質と正確で高速な選曲が可能な洗練され
た操作性とデザインなどで高い評価を得ていました。実は私自身が所有した初めてのCDプレー
ヤーがこのL-03DPでした。何度も試聴を重ねた末選んだ1台でした。その意味でも個人的な思
い入れも強い1台です。

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DCD-3500G
1988年にデンオンが発売した当時の同社のCDプレーヤーの最高級機。ブラックパネルもありま
したが,このウッドキャビ付きゴールドパネルの高級タイプの本機の方が人気がありました。22kg
もの重量級モデルで,しっかりした振動対策とデンオン自慢のスーパーリニアコンバーターによる
輝かしく力強い金粉をまき散らすような音は外観とも一致し,高い評価を得ていました。

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ONKYO C-2001
オンキョーが1987年に発売したCDプレーヤー。オンキョーはセパレート型CDプレーヤーは作
っていませんでしたが,光伝送を早くから取り入れ,内部の電気的セパレート化を押し進めるな
ど優れた一体型CDプレーヤーを作っていました。このC-2001は,一体型CDプレーヤーなが
ら30kg近くあり,史上最も重い1台ではなかったかと思います。カーボンスティールを用いた頑
丈なシャーシと強力な電源部から送り出される音は,頑丈な岩のようながっしりした音でした。

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PIONEER PD-T09
パイオニアが1991年に発売した一体型の最高級機。1987年に「ターンテーブルメカニズム」を
RD-T07に搭載して発表したパイオニアが,高域限界を引き上げる「レガートリンクコンバージョン」
をさらに搭載し,各部に贅を尽くして作り上げた高級機でした。しっかりした構造と電源部などにささ
えられた堂々とした響きは洗練された外観とあわせ,同社の最高級機にふさわしいものであったよ
うに思います。


 
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LUXMAN DA-07,DP-07
ラックスが1987年に発売した超弩級CDプレーヤーシステム。セパレート化された筐体は巨大で
特にD/Aコンバーターはパワーアンプかと思うほどでした。これは,各部に物量を投入した贅を尽
くした作りであったことや,独自のD/Aコンバーターを開発して搭載したことなどによるものでした。
ときどきとんでもない超弩級機を出すさすがのラックスも,これ以降,これほどの凝ったCDプレーヤ
ーは出していません。ラックス史上,最強のCDプレーヤーだったと思います。

※ここに掲載された写真は,各製品のカタログからの抜粋で,その版権・
著作権等は,各オーディオメーカーにあります。したがって,これらの写真
を無断で転載等することは,法律で禁じられている行為ですのでご注意く
ださい。
 

現在もご使用中の方,また,かつて使っていた方。あるいは,思い出や印象のある方
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