C-2xの写真
YAMAHA C-2x
NATURAL SOUND STEREO PRE-AMPLIFIER
                          ¥220,000

1983年にヤマハが発売したプリアンプ。シンプルな機能で高性能を誇った伝統のC-2の型番を
受け継ぎ,ヤマハが1980年代に入ってから開発した新技術も投入して練り上げられた高性能な
プリアンプとして人気を得ました。デジタル時代に入ってもなおそのアナログディスク再生を始めと
するアナログ入力系の高性能ぶりを誇っていました。

C-2xの基本的な回路構成は,MCカートリッジ用広帯域高SN比ローノイズヘッドアンプ→ゲイン
切替付き高SN比ローノイズ・リアルタイムイコライザ→トーンコントロール兼用の20dBフラットアン
プ→ローノイズ0dB出力アンプというオーソドックスなもので,パーツやコンストラクションをオーソド
ックスに細部まで煮詰めたという設計でした。

MCヘッドアンプは,ローノイズ・トランジスタをコンプリメンタリー構成で合計8パラ/ch使用したも
ので,さらにヤマハ自慢の歪み低減回路ZDRを搭載し,入力換算雑音−160dBV,SN比88dB
(MC250μV)という,最高度ともいえる低雑音特性と,0.002%以下(20Hz〜20kHz・MC→
REC OUT3V)という歪率特性を実現していました。特性的には,C-2aを大幅に上回るものでし
た。

イコライザアンプは,High-gmローノイズDual FETをパラレル構成で使用したもので,ZDR及び
カートリッジ実装時のノイズを約3dB改善するカレントノイズサプレス回路の採用もあり,SN比93dB
MM2.5mV入力),歪率0.001%(MM→REC OUT3V)という優れた特性を実現していました。
カレントノイズサプレス回路は,入力インピーダンス設定抵抗からの熱雑音電流の問題を解決するも
ので,負荷抵抗を使用抵抗の数倍も高いところに設定し,使用抵抗の数分の1を負荷抵抗とするこ
とによって,入力換算ノイズ電流密度が低くなり,等価的にノイズの極小な負荷抵抗を得るという巧
妙なものでした。
イコライザとしてヤマハ自慢の「リアルタイムイコライザ」が搭載されていました。これは,RIAA素子
を2つ使用したもので,NF型とCR型を組み合わせて両者の良いところをとるという巧妙なものでし
た。周波数特性的にも時間的にも優れた特性でイコライジングが行え,高域の位相ずれも少なく,
位相補正も軽くてすみ超低域ノイズも少ない動作の安定したイコライザとなっていました。
使用するカートリッジの出力に合わせて適切な条件で使えるよう,リアパネルにイコライザゲイン切
換えスイッチ(−10dB)を装備し,入力感度をMMで2.5mVと7.9mV,MCで100μVと316μV
に切換えることができるようになっていました。

C-2xの内部

電源部は,信号入力部(MC,MM,0dBバッファアンプ)と出力部(フラットアンプ,出力バッファアンプ)
のアンプの電源を完全に分離した2トランス独立電源が採用され,4,700μFのケミコンを各4個(計
8個)使用した強力なものとなっていました。

ボリュームは,0dBバッファアンプを採用して低インピーダンス化を図り,歪率・周波数特性の改善を実
現し,トーンコントロールの前後で絞る精密4連ボリューム方式として高SN比を実現していました。
トーンコントロールは,センターディフィート機構を持つ高精度21点クリック付きの特殊ボリュームを採用
し,高品質フィルムコンデンサを用いたNF型TC回路によって高精度で低歪率の特性を実現していまし
た。
フォノセレクタは,PHONO1/PHONO2に大別され,PHONO2は47kΩ/220pF固定式となってお
り,PHONO1は,MMポジションで47kΩのまま100pF,220pF,330pF,MCポジションで100Ω
と1kΩがセレクトできるようになっていました。
その他,リスニングソースとレコーディングソースを独立してセレクトできるREC OUTセレクタを装備し,
1つのソースを聴きながら,別のソースの録音ができるようになっていました。

C-2xでは,パーツの面でも,非磁性体真鍮削り出し金メッキ入出力ピンジャック,極性つき無酸素銅線
電源コード,高精度高品質ディテントボリューム,電源回路用ショットキーダイオード,高周波特性に優れ
たコンポジットプリント基板等厳選された仕様となっていました。また,ツマミ類は,アルミ削り出しのもの
が使われていました。

以上のように,C-2xは,CD時代に発売されたモデルながら,ヤマハのC-2シリーズの伝統を受け継ぎ
アナログ入力系の充実が目立っていました。また,C-2以来,ヤマハが開発してきた新たなアンプ技術
が投入され,伝統のデザインの中にも技術的な新しさを併せ持つ使いやすく高性能なプリアンプでした。
非常にノイズレベルが低い端正な音を持った1台でした。
 
 

以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。
 
 


SN比88dB以上・歪率0.002%以下
の最高度特性
高性能シンプル・プリアンプの歴史を
再び塗り変える
ヤマハのC-2x
「音楽の透明度」を支配する!
 
 

●C-2xの主な規格●


入力感度 PHONO 1(MC) 100μV−316μV(ゲイン切換)
        (MM) 2.5mV−7.9mV(ゲイン切換)
       
PHONO 2(MM) 2.5mV−7.9mV
AUX・TUNER・TAPE他 150mV
カートリッジロード 100kΩ,68kΩ,47kΩ,100Ω
最大許容入力 MC   21mV
MM   530mV
入力インピーダンス PHONO1(MC) 100Ω・1kΩ
       (MM) 47kΩ/100p,220p,330pF
PHONO2     47kΩ/220pF
DAD        2.2MΩ
AUX,TUNER TAPE 47kΩ
周波数特性 PHONO 1,2(MM) 20Hz〜20kHz0±0.2dB
PHONO 1(MC)   20Hz〜20kHz0±0.3dB
AUX・TUNER・TAPE 10Hz〜100kHz ±0.2dB
トーンコントロール特性 ターンオーバー周波数 BASS   350Hz
               TREBLE 3.5kHz
最大可変幅        BASS   ±10dB at 20Hz
               TREBLE ±10dB at 50kHz
サブソニックフィルタ 15Hz 12dB/oct
全高調波歪率 PHONO 1,2(MM) 0.001%以下(MM→Rec out・3V)
PHONO 1(MC)   0.002%以下(MC→Rec out・3V)
AUX・TUNER・TAPE 0.001%以下(AUX他→Pre out・3V)
SN比(IHF-A net work) PHONO 1,2(MM)  93dB
PHONO 1(MC)    88dB
AUX・TUNER・TAPE 106dB
チャンネルセパレーション(1kHz) PHONO 1,2(MM) 86dB(入力ショート)
PHONO 1(MC)   76dB(入力ショート)
AUX・TUNER・TAPE 90dB以上(入力5.1kΩ終端)
オーディオミューティング −20dB
外形寸法 435W×73.5H×352.8Dmm
重量 8kg
※本ページに掲載したC-2xの写真,仕様表等は1984年6月の
YAMAHAのカタログより抜粋したもので,日本楽器製造株式会社
に著作権があります。したがって,これらの写真等を無断で転載・
引用等することは法律で禁じられていますのでご注意ください。
    
 

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