C-240の写真
Accuphse C-240
PRECISION STEREO CONTROL CENTER ¥395,000

1978年にアキュフェーズが発売したコントロールアンプ。C-280が出るまで,同社のコントロールアンプの頂点に
君臨していた高級機で,C-280とはまた違った魅力を持った音を聴かせてくれる名機だと思います。

C-240はほとんどの操作をプッシュボタン化したため非常に特徴的なパネルデザインとなりました。フロントパネル
に並んだプッシュボタンは何と57個と,おそらく史上最高となっていました。これは,ロータリースイッチと異なり,
離れたポジションにもダイレクトに飛べるという操作上のメリットがあるためでした。入力切り替えはもちろん,ディス
クの入力インピーダンス,テープモニター,モード切替,トーンコントロールまでボリュームコントロールとバランスコン
トロール以外ほとんどの操作がプッシュボタンでダイレクトにできるようになっていました。また,プッシュスイッチやリ
レーの接点抵抗を改善するために,すべてを2回路並列使用という贅沢な構成となっていました。

C-240の全体の回路構成の特徴は,アキュフェーズらしくヘッド・アンプの入り口から出力まで,さらにヘッドホーン
専用アンプの全ての増幅段に完全対称型プッシュプル構成がとられ,ヘッド・アンプ,イコライザー・アンプ,ハイレベ
ル・アンプ,ヘッドホーン・アンプの各ユニットアンプ全てがA級,DC構成となっていました。大容量を必要とするNF
ループ内のDCカット用コンデンサーも取り去られ,入力のコンデンサーもないICL方式となっていました。

ヘッド・アンプは,26dBのゲインを持ち,小信号用に特別に開発されたRET(リング・エミッタ・トランジスター)が搭載
されローノイズ化が図られていました。さらに出力段の大電流駆動により出力インピーダンスを低くし,入力換算雑音
が実測値で−154dBVと理論限界値に近い数値を実現していました。また,ヘッド・アンプはモジュール化され,湿
気の混入や温度変化の影響も受けず,安定した動作を行うようになっていました。

イコライザー・アンプは36dBのゲインを持ち,入力のFETバッファーを介して以後の増幅段がすべて対称型プッシュ
プルで構成されていました。イコライザーの出力は,高周波電力増幅用RET(リング・エミッタ・トランジスター)が採
用され,A級大電流駆動により出力インピーダンスを低くし,同時に入力バッファーに高gmFETを使用することで,実
測−140dBVという理論限界値に近い入力換算雑音レベルを実現していました。また,帰還防止回路の挿入により,
ソース,ゲート間のコンデンサーに頼ることなく,バッファーの帰還容量による歪み特性の悪化を抑えていました。
入力インピーダンスはDISC2系統とも,カートリッジに合わせて100Ω,47kΩ,82kΩ,150kΩの4種類を選ぶ
ことができるようになっていました。

ハイレベル・アンプでは,DCサーボ方式の採用により,NFループ内の直流成分カット用のコンデンサー及び,出力
コンデンサーを不要とし,TUNER,AUX端子から出力まで直流カット用コンデンサーレスのDCアンプとなっていまし
た。出力インピーダンスも全域にわたって2Ωと低い値で,シールドケーブルの影響が最小限に抑えられていました。
ヘッドホーン・アンプは,専用のA級ピュアコン直結タイプが搭載され,高いクオリティでのヘッド・ホーン出力が実現
していました。

C-240の内部

C-240のボリュームは18本のブラシ状に構成された摺動子と鏡面仕上げのコンダクティブ・プラスチック素子の抵
抗体による高品質なものが搭載されていました。このコンダクティブ・プラスチック素子の抵抗体は,熱硬化性樹脂の
絶縁体に,導体性粒子を連続的に配列したフィルム状抵抗体を一体モールドしたもので,表面はなめらかで非常に
強い膜面を形成し,18本のブラシ状摺動子との組み合わせでは,理論上1/18の接触抵抗を実現し,長期にわた
って安定した性能を発揮するボリュームを形成していました。

トーンコントロールは,2dBステップの8ステップ切り替え式で,ターンーオーバー周波数がTREBLE2kHz,7kHz,
BASS500Hz,200Hzの各2種類の切り替えが付いていました。プッシュボタン式であるため,ステップを飛ばし
てのスピーディーな操作が可能でした。
また,音質調整機構として,「HFトリミング」がありました。これは,ディスク再生時のカートリッジの微妙な高域特性
を調整する機能で,フラットの状態から20kHzで−8dBまでの間を連続的に可変することができるようになっていま
した。

そのほか,COMP1 6dB(50Hz),COMP2 9dB(50Hz),COMP3 +10dB(50Hz)+6dB(20kHz)の3段
切り替えのラウドネス・コンペンセーター,17Hz,12dB/octのサブソニック・フィルター,−10dB,−20dB,−30dB
の3段階を備えるアッテネーターなどが搭載されていました。また,少し変わった機能としては,MODEスイッチの中に
STEREO,REV,MONOのほかにBLENDポジションがありました。これは,スピーカー間隔が広すぎる場合や,不
自然にセパレートするプログラムソースを再生するときセパレーションを10dB抑えるというものでした。

以上のように,C-240は,高級コントロールアンプとして,高性能と多機能を両立させた充実した内容を持っていまし
た。特に,イコライザー部の性能の高さ故か,レコード再生で聴かせてくれる繊細で美しい音は非常に魅力的でした。
現在では,AUX系の入力端子の少なさなどを感じますが,コントロールアンプの名機としてすばらしい性能を持った1
台でした。
 
 

以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。
 
 


 最高級オーディオシステム用として企画されましたのが,
アキュフェーズC-240型ステレオ・コントロールセンター
です。回路・素材・操作性等あらゆる面で完成度の高さと
緻密さ,そして独自の味わいを持っているものと確信して
おります。
◎プッシュスイッチによるファンクション
◎全増幅段対称型プッシュプル駆動,
 A級DC構成,ICL方式
◎広ダイナミック・レンジ,ロー・ノイズの
 モジュール・ヘッド・アンプ
◎色づけを徹底的に排除した
 高S/Nイコライザー・アンプ
◎DCサーボ方式ハイレベル・アンプ
◎本格的なA級ピュアコン直結ヘッドホーン・アンプ
◎18本の摺動子を持つ新開発ボリューム
◎カートリッジの高域特性をコントロールする
 「HFトリミング」
◎ターンオーバー切り替え付き
 8ステップのトーン・コントロール
◎3段切替ラウドネス・コンペンセーター
◎音質重視のサブソニック・フィルター
◎充実したテープファンクション
◎レベルを3段階に切り替えられる
 アッテネーター
◎BLENDポジションを設けたモード・スイッチ
◎キャノン出力コネクター
◎ローズウッド仕上げのキャビネット入り
 
●C-240保証特性●


周波数特性 
  ハイレベル入力
  ディスク入力

  20〜20,000Hz +0,−0.2dB 
  20〜20,000Hz ±0.2dB
高調波ひずみ率(20〜20,000Hz間) 0.005%(定格出力にて)
定格入力/入力インピーダンス 
  DISC1・2:HEAD AMP OFF
  DISC1・2:HEAD AMP ON
  TUNER
  AUX
  TAPE PLAY1・2

2.0mV/100Ω,47kΩ,82kΩ,150kΩ切替
0.1mV/100Ω固定
126mV/50kΩ 
126mV/50kΩ
126mV/50kΩ
定格出力/出力インピーダンス 
  OUTPUTS
  TAPE REC1・2

2.0V/2Ω(VOLUME最大,定格入力にて)
126mV/500Ω
ヘッドホーン 出力インピーダンス 0.3Ω
出力(8Ω負荷)   0.25W,1kHz,ひずみ0.01%
             (VOLUME最大,定格入力にて)
最大出力レベル(ひずみ率0.005%) 10V以上 (20〜20,000Hz間)
ディスク最大入力(1kHz ひずみ率0.005%)  HEAD AMP OFF  :400mVrms
HEAD AMP ON   :20mVrms
最小負荷インピーダンス OUTPUTS :1kΩ 
TAPE REC:10kΩ 
ゲイン  TUNER・AUX・TAPE PLAY入力より
  TAPE REC OUTPUT     0dB 
  OUTPUTS            24dB
  HEADPHONES         20dB 
DISC(HEAD AMP OFF)入力より
  TAPE REC OUTPUT    36dB
  OUTPUTS            60dB
  (DISC入力でHEAD AMP ONの時は+26dB)
S/N・入力換算雑音(入力ショート,IHF-A)
  ハイレベル入力
  ディスク入力(HEAD AMP OFF) 
  ディスク入力(HEAD AMP ON)  

110dB(定格入力時S/N)−128dBV      
85dB(定格入力時S/N)−139dBV 
72dB(定格入力時S/N)−152dBV 
トーンコントロール   8ステップ・プッシュ・スイッチによる切替式
 ターンオーバー・ポイント
  低音:200Hz  500Hz切替
  高音: 2kHz   7kHz切替
 変化範囲
  低音:変化点  500Hz±8dB(50Hz) 2dBステップ
      :変化点  200Hz±8dB(20Hz) 2dBステップ
  高音:変化点   2kHz±8dB(20kHz) 2dBステップ
      :変化点   7kHz±8dB(50kHz) 2dBステップ
  DEFEATスイッチ付     
ラウドネスコンペンセーター COMP1:+6dB(50Hz) 
COMP2:+9dB(50Hz)
COMP3:+10dB(50Hz),+6dB(20kHz)
 (VOLUMEコントロール −30dBにて)
ディスク・ハイ・トリミング DISC1,DISC2独立型,0dB〜−8dB連続可変(20kHzにて)
サブソニック・フィルター 17Hz  12dB/oct
アッテネーター −10dB,−20dB,−30dB切替式
使用半導体 159Tr,10FET,102Di
電源及び消費電力 100V,117V,220V,240V,50/60Hz,  80W
寸法・重量 幅466mm×高さ188mm×奥行391mm  18kg
※本ページに掲載したC-240の写真,仕様表等は1978年のAccuphase
 のカタログより抜粋したもので,アキュフェーズ株式会社に著作権があります。
 したがってこれらの写真等を無断で転載,引用等をすることは法律で禁じられて
 いますのでご注意ください。
 
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