弁天娘女男白浪より 浜松屋の場
あらすじ (
by ひのひの )
弁天小僧菊之助、南郷力丸の両人は武家の娘とその郎党に化け呉服店の浜松屋に乗り込み、わざと万引きを装って店から叩きのめされる。だが番頭が調べてみれば万引きではなかったことがわかり、困惑した若旦那と主人に南郷が因縁を付ける。南郷は仲裁に入った鳶頭をも喧嘩に巻き込み、まんまと百両をせしめ、首尾良く店から帰ろうとする。 ・・・・と、その時黒づくめの侍が奥の間より現れ、女形の弁天を男と見破って全ては騙りであろうと暴露する。化けの顕れた弁天と南郷は居直り、「知らざあ言って聞かせやしょう。」で始まる有名な台詞を語り、結局二人は二十両の金をせびっただけで帰ってゆく。 ・・・・・・が実は、この騙りを見破った武士こそ五人男の首領日本駄右衛門その人で、後刻一味で押し入るため浜松屋に恩を売り屋敷に入り込む為の、もっと大きな狂言の一部だったのだ。

「さあお嬢様お入りなさいませ」 「あたしってきれい?」
勿論こんな台詞はありませんよ、念のため

「文金島田のお嬢さんが万引きするたぁ気がつかねえ」 「万引きと思ったはよその代物であったのか」

「万引きの悪名つけて、ただ謝って済むと思うか」 「娘というはまさしく男、騙りめ返事はなな、なんと」
騙りを見破る玉島逸刀(実は駄右衛門)

「おう南郷もう化けちゃあいらんねえ」 「浜の真砂と五右衛門が歌に残せし盗人の・・・」

「弁天小僧菊之助たぁ、俺がことだぁ」
「ぶたれた俺が向こう傷この始末はどうつけて・・・」
実はこの入れ墨はひのひのの手製です。

「さあそろそろ帰るとするか」 「ところで菊や、まだ何か忘れちゃいねえか?」
注) ちなみにこの演目は青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)の一部で、今回のように「浜松屋」と「勢揃い」の場だけが上演されることが多く、その場合には弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)と演題が変わるのが慣習です。
子供歌舞伎・稲瀬川勢揃いの場より
中山の子供たちによる勢揃い
なお、本ページの舞台写真は友人・中村徹君に撮影していただきました