地域土曜子ども館、小学校英語教育推進/富山県小矢部市



○視察の概要

  @地域土曜子ども館
    学校週5日制実施に伴い始められた事業。公民館、PTA、児童クラブが参画し、
   子どものためのさまざまなイベントを行っている。
  A小学校英語教育推進
    小学生の年代から情報教育、国際理解を目指して、市長のトップダウンで始め
   られた事業。大都会ではない当市では、外国人を見かけることも多くない。外国人
   教師と直接ふれ合うことで、英語力の向上というよりは、外国に馴染む、という
   感覚で行っている。

○視察の内容

  @地域土曜子ども館
   ・第1、第3土曜日に開催。
   ・内容は、スポーツ大会、キャンプ、異世代ゲートボール、史跡めぐり、料理教室、
    縄ぬいなどの文化伝承教室など
   ・実施団体は公民館、PTA、児童クラブを主体に、社協、体協、婦人会がタイアップ
    して行う。
   ・事業費
      公民館 @5万円×15館=75万円
      PTA @7500円×10校=75万円
      児童ク @市児童ク連に一括 75万円
      図書等購入費    @3.6万円×15館=54万円
      遊具・備品購入費  @4.5万円×15館=67.5万円(H14のみ)
      土曜日開館で公民館職員手当
                 4.5千円×2回×12月×15館=162万円
      公民館総合保険    年90万円
      将棋などの遊具費   若干
   ・事業のための対応
      土日の小中学校グランドと体育館の開放
      中学校の部活は、日曜日原則休み 
      中学校の部活に専門的技術を持つ部活動講師を配置
      文化諸施設を無料化
      図書館の開館時間の延長
      公民館の土曜日開館、子どもたちに開放する
   ・これまで公民館、児童ク、Pが別々にクリスマス会をしていたものを予算合体、充実
    化を図る。
   ・詳細な事業内容は別添のとおり。

  A小学校英語教育推進
   ・3年前からスタート。小学校6校に人材派遣会社経由で外国人講師2名が巡回。
   ・資格要件 英語圏出身で日本語堪能な人、月〜金、1日8時間勤務、学校から提出
    された計画に基づき派遣する。
   ・経費 月額472,500円
       (給与、事前トレーニング費、住宅費、保険料、渡航関係諸費用含む)
       人材派遣会社との契約金額は、月額95万円
   ・待遇 年10日の年次休暇、夏休み期間も勤務。その間に教諭とのミーティング、等を
    行ってもらう。
   ・事務事業の評価シートにより、成果を見る。
       小学校1〜4年生では、英語に親しみ、習慣に慣れるというメリット。
       小学校5、6年生では、英語が嫌いになる傾向がある。
   ・講師の話、学校の意見をもとに、「指導講座」を持つ。
   ・授業の枠は、1、2年は校長、担任が相談し、たとえば社会科の事業枠で、
          3〜6年は「総合学習」の時間を用いる。
   ・授業の回数は、多くて週2回、少なくとも週1回。
   ・授業の内容は、英会話や文法が本来の英語の授業だろうが、まず英語に慣れる、外国
    人に慣れるということを先に考えている。外国人に対して身構えない、慣れる、ことが第一
    と考えている。
   ・総予算は1134万円、すべて市単独予算である。
   ・なお中学進学後について、中学にもALT教師が2名配置され、英語の授業はすべて英語
    でやっている。
   ・テキストはない。
   ・成果として、県下の英語弁論大会で最優秀賞を取る生徒が出るようになった。

○視察感想
   「メルヘンの街」を標榜する小矢部市。市長の掛け声のもと、市内の小中学校のみならず
  図書館などの市内に散在する公共施設はどれも西洋風の古い建物に模した作りとなっています。
  ユニークな景観形成がなされており、このことはまた子どもたちを見守る市民の姿を現している
  ようにも思いました。
   学校が土曜隔週休日になった時には、丸亀市でも学校体育館の開放や各コミュニティでの
  さまざまな企画が行われたと聞いていますが、完全土曜休日になった時には、前者ほどの声の
  高まりもなく、賛否はさまざまに言われているようです。
   小矢部市はこの学校週5日制導入をきっかけとして、地域が真剣に子どもたちの休日の
  過ごし方について考え、連携をとりながら特色ある企画を催しています。このことに対して行政
  もできる限りの財政支援や場の提供を行っています。
   最近、国の中教審が地域ぐるみの教育を目指し、コミュニティスクールの構想を素案発表
  しました。学校の予算、人事にまで地域コミュニティが関与していくものということですが、
  まさしく小矢部市の取り組む「子ども館」は、そうした時代の流れの先を行くものということが
  できると思います。
   自治体がそれぞれの知恵を絞り特色を出して、地方行政の真価をするのに、教育という部門
  は格好の場となりえるのではないでしょうか。
   小学校での英語教育も、国レベルで現在議論がなされており、賛否これまたさまざまです。
  単語の記憶や難しい文法を理解させるという英語教育なら、小学校からさせるのはよくない、
  という意見もあります。視察に赴き、小矢部市の実際はそうではなく英語や外国人に慣れる、
  ということに重きをおいているようで、言葉上の「英語教育」というものとはニュアンスが異
  なるものだということがわかり、こうした事業は効果の測定がとても難しいことから、実施に踏
  み切るには大きな決断、なかんずく市長の掛け声がなくては始まらなかったというのもうなず
  けます。
   国が何かの方針を定めなければ何事も動かない、というのでは、今後の地方行政のあり
  方として、決して良い姿ではないでしょう。さりとて、費用対効果の計量しがたい教育という部
  門で、こうした思い切った、また継続を要する事業を行うことは、大きな困難がつきまとうと
  思いますが、丸亀市でも、これをひとつの参考に、いわゆる「丸亀教育」のさらなる充実という
  軸を持っているのですから、具体的な方策をさらに強く押し出すところに来ていると考えてい
  ます。
   わたしは先の12月議会で、「子ども条例」の制定を提案しました。
   これもまた、学校、地域、家庭が、それぞればらばらに動くのでなく、同じテーブルについて
  子どものことを議論し、一緒に連携して行動を起こしていくためのひとつの規範となり、また
  少なくとも議論のきっかけとしてもらいたい、そのような願いを込めて行いました。
   これから先、丸亀教育がさらに実効あるものに育ってもらうために、こうした先進地の事例
  も大いに参考にして、具体の議論に資していくことだと思います。
   行政が予算付けをしたから完結、というものではなく、地元コミュニティはじめ家庭も学
  校も、「手をこまねいていたのでは始まらない」という意識で、いっしょに考え行動していくた
  めに、小矢部市のこの事例も、今後市民の皆さんに広く紹介してまいりたいと思います。
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