福祉総合相談窓口〜新潟県長岡市

1.これまでの経緯

  平成11年度に基本構想・基本計画を策定。
  福祉サービスも次々と拡大され、制度の頻繁な改正も行われて、市民が「ど
 んなサービスがあるのか、どこに聞けばいいのか」わからないという現状に
 対処するため、総合相談窓口を設置することとなった。
  平成12、13年度で専任プロジェクトを設置、福祉総合システムの開発
 を行った。システムは、単に窓口案内のコーナーというにとどまらず、市民
 がそこに来ればほとんどすべての行政情報、個人情報が得られるという本格
 的なシステム内容となっている。たとえば、市民が市営住宅の申し込みをし
 たいと来庁した場合、その市民の前年度所得までがわかり、「あなたの所得で
 は上限を超えていて申し込み資格がありませんよ」というところまで、回答
 をすることができる。このことについては後段詳述。
  平成14年度、担当職員の研修、システムの稼動開始、事務処理マニュア
 ルの作成。平成15年1月6日、市役所1階に開設。チーム3名でスタート。
  平成15年度、これまで市民相談業務を市民課で担当していたものを福祉
 総合相談窓口に移した。これにより、同窓口は「福祉相談」と「市民相談」
 の2本立ての業務となった。職員7名体制。(市職員4、臨時1、相談嘱託員
 2=市職員OB)なおこのための職員増員は行っていない。

2.長岡市の相談窓口の特徴

  システム開発経費に1億円を投入、「○○課に行ってください」ではなく、
 ほとんどの業務がここで完了できる。個人情報も取り出せるため、セキュリ
 ティと扱う職員のIDを厳しくチェックしている。
  また、どうしても担当職員と専門的な話をしなければならない事案でも、
 「○○課に行ってください」ではなく、その○○課の職員がこの窓口に来る
 ことを原則としている。たとえば、高齢の方が社会保険から国民健康保険に
 切り替えようという用件で来丁した場合、保険の担当者がこの窓口に来て対
 応をしてあげるようにしている。「客を動かすのでなく職員が動く」。
  システムがリンクしていない業務は、国民健康保険、介護保険、生活保護
 関連のみ。保険関係は健康課に問い合わせることとしている。

  @福祉総合相談窓口としての業務は26業務。
  ・介護保険  要介護認定受付
  ・高齢者福祉 車いすの貸付、返却/緊急通報装置の貸与/老人福祉電話
         機能訓練申し込み/寝具丸洗い受付/はり・きゅう・マッ
         サージ費助成
  ・障害者福祉 身障者手帳・療育手帳の申請受付/車いすの貸付、返却/
         緊急通報装置の貸与/視覚障害者用杖の貸与、返却/心身
         障害者交通費助成事業の受付/自動車改造助成・自動車運
         転免許証取得助成の申請受付/各種証明書発行/有料道路
         通行料割引証の交付
  ・児童福祉  児童手当関連一切の受付
  ・医療給付  重度心身障害者、精神障害者への医療費助成受付、交付/
         老人保健法に基づく医療費、乳幼児医療費、ひとり親家族
         等医療費、老人医療費助成の受付、交付
  ・その他   ともしび基金(寄付金)の受付
   開設(15年1月)から12月までの受付件数は約12000件。一日
   当りの件数は49件(15年1月から12月までの平均)。
   児童手当認定請求と医療費の給付関連の相談をあわせると7割を占める。

  A市民相談の概要
  ・市民相談  毎週月〜金曜日 9時から4時まで
  ・弁護士相談 毎週金曜日   1時から5時まで
         1人30分、先着順。県弁護士会へ委託。なお新潟県下2
         0市ある中でも、週1回の弁護士相談を行っているのは長
         浜市だけ。
   年間受理件数は1500件(平成14年度)。内容は財産問題、離婚、生
   計など多岐。
   
  Bランニングコスト
   15年度予算ベースで
   ・福祉総合相談窓口関係経費530万円(臨時職員賃金含む)
   ・システム運用経費   2245万円
   ・市民相談経費      161万円(弁護士委託料)

3.感想

  雪の降り積もる長岡市役所を訪問。
  説明を聞いたのち、総合相談窓口に案内していただきました。
  木目調のやわらかい感じを演出した相談窓口で、カウンターが低いだけで
 なく、プライバシー保護のために隣の席との仕切りも設けられていました。
  職員は窓口の内側に座っているだけでなく、通路側に置かれた椅子に腰掛
 けている高齢者のところに歩み寄り、いっしょに腰掛けていたわるように話
 しかけている場面も見受けました。
  長岡市の総合窓口の特徴は、この窓口に特化したシステムの構築を独自に
 行っている点であり、これから単年度どの程度のコストがかかるのか、設立
 初年度であるため現時点では詳らかではありませんが、今後も引き続き参考
 にさせていただきたいものです。
  それ以外に、「客を動かすのでなく職員が動く」という発想に徹したサービ
 ス業務が行われていたことに、ことさら感銘を深く受けました。
  恥ずかしながら私も議員をさせてもらいながらも、本庁1階南側のフロア
 には福祉課、子ども課、長寿課と並んでいますが、職員からすれば「そんな
 基本的なこと」と思われるかも知れませんが、どこに行けばいいのか、わか
 らない時もあります。とくに、「それは健康課なので、ひまわりセンターです」
 という返事のときにはがっくりきます。
  私は常々、市民が議員を介さなくてもちゃんと用向きが達せられる、当た
 り前といえばごく当たり前な、そういう市役所のあり方を提唱しております
 が、今回視察させていただいた長岡市のようなスタイルも、ひとつの参考に
 させていただきたいと思います。
 
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