広域消防の現状について      日田玖珠広域行政事務組合消防本部
                                             
                                             
レポートTOP

 

1.概要

 

 日田玖珠広域行政事務組合は大分県北西部、日田市、玖珠町、九重町の1市2町で構成。平成17年3月22日、日田市の郡町村合併に伴い発足した。

 管轄面積は1200平方キロと広大。管轄人口は10万人。

 このエリアを消防は1本部2署3出張所でカバーしている。職員数は98名。

 1市2町それぞれが消防費を一定割合で負担。一律分、不足分、特別負担金(退職基金積み立て)、高速自動車道救急業務負担金、はしご車公債費負担金など。それぞれに計算式がある。

 19年度において応能負担(基準財政需要額比率)、応益負担(職員配置比率や出場件数比率)に応じ、見直しをする予定である。

 

2.同組合の特徴的なことがら

 

 カバーエリアがともかく広大であること、西に熊本県と隣接した山間部があることから、次のような特徴がある。その他、説明の上で強調されていたことを列挙する。

 @地理的な事情から、救急転院搬送では大分へ、久留米へ、福岡へと走る場

  合も多い。

 Aドクターヘリの導入。年間18000万円のコストは国と県が折半。久留米大

  学病院へ15分と活躍している。防災ヘリは大分からは25分、熊本防災ヘ

  リは15分という事情で、隣接県との連携が密である。

 Bそのため隣接県と防災応援協定を結んでいる。ヘリが各県で一斉に点検に

  入らないように申し合わせている。なお一回の点検に4ヶ月を要する。

 C近年の登山ブーム。山岳地帯が多く、高齢者も登山するようになり、登山

  中の発病、事故が増加している。この場合にも防災ヘリが活躍する。隣接

  県との合同訓練も行なう。

 D平成13年に大災害に見舞われた。これを機に梅雨時、訓練を恒例化してい

  るが、次第に下火になる傾向である。

 E現在、地域イントラネットを整備中。19年2月を目途に、防災端末が完成

  する。

 F救急救命士による「気管外送管」。これができる職員を本年11月、2名か

  ら3名に増強。これには臨床実習が一定回数必要だが、予定に反し、合意

  してくれない患者、失敗する場合もあり、取得に1年を要した。


レポートTOP

 

3.広域消防の今後の課題

 

 @各構成自治体がそれぞれに行なう財政緊縮、行政改革のあおりを受け、負

  担金の合意が難しい。職員削減の動きもある。

 A人口減少で、交付税積算にマイナス影響。運営が困難に。調整難航が予想

  される。

 B県下の消防再編の動き(国の消防組織法改正)。全国の消防本部の規模を概

  ね30万人以上に広域化する流れである。大分県人口は約110万人であり、

  うち、大分市が40万人。県一本化か、3分割かで、今後再編される可能性

  がある。

 C消防広域化のメリットは、

  ・災害発生時における初動体制強化

  ・統一的な指揮で効率的な対応

  ・本部機能統合で現場活動要因が増強

  ・予防、救急業務の高度化専門化に寄与

  ・財政規模が拡大することにより資機材の高度化と計画的整備が可能

  ・署所の配置や管轄区域の適正化で到着時間を短縮

 Dなお平成28年にはアナログ通信が許容限界に達する。これをデジタル化す

  ることが急がれ、これを共同設置することでコストメリットもねらう。

 

4.感想

 

 私どもの丸亀市もたまたま同日、平成17年3月22日に合併。旧町の飯綾消防との機能の再編で、今一応の新丸亀市の消防体制が整い、機能しております。

 丸亀市を含む中讃広域事務組合では現在、消防業務には取り組んでおりませんが、今後の国の動向次第では、消防の広域事務組合化も視野に入れる必要があることがよくわかりました。

 一見、消防を広域化すれば「消防車の到着が遅くなる」ような気がしますが、現有勢力で比較しても、連携による効率的な活動、一本化した指揮系統、広域災害へのスムーズな対処、資機材の計画的な配備など、いわゆるスケールメリットがねらえるとの説明でした。

 カバーエリアの広大さといい、地理的条件といい、わが方とは事情がずい分異なりますが、高齢者にも広がる登山ブーム、気管外送管、ドクターヘリの活動など、これまであまり身近に考えていなかった問題に示唆を与えていただきました。

 今すぐに消防の広域事務組合化が議論されるわけではありませんが、丸亀市も経験した山林火災、高潮、台風による流域の浸水など、ひとつの市で対応できない案件にも万全の体制を構築する必要は強く、広域事務組合エリアはもとより、県、隣接県との連携も今後強く進めていく必要を感じました。


レポートTOP